花研コーヒーブレイク
クリショック★
2015.10.08
社員が休憩時間に食べられるよう、食堂で茹でた栗がふるまわれた。調理を担当してくださった方は、茹で上がった栗を一つ一つ包丁で半分に割り、親切にもスプーンを一緒にテーブルに出してくれている。
ほっくりとした黄色い栗が何ともおいしそうで、食後のデザート替わりにすかさずいただいた。
すると、食堂の別の島からただならぬ声が聞こえる。
同じく栗を食べている20代女性社員、つまりかわいいキャピキャピガールズの集まりである。
「うーーー!剥けない~~ッ!爪が割れるー!!!」
なぬ?爪が割れる??
この栗を食べる過程で「爪が割れる」なんてリスクが含まれているのか?
3-4人が頭を突き合わせて、全員がなにやら悪戦苦闘しているご様子。
もうおわかりになったでしょうか。キャピキャピガールズの皆様は、栗を手で剥いて食べようとしているのです。
そらもうひっくり返りそうになりましたさ。こういうことをビックリというのでしょうか。
そこに栗を茹でてくれた人がマリア様の如く登場して、艶のある美しい声で、
「ここに置いてあるスプーンを手に持って、半分に切ってある栗をもう一つの手に持ち、スプーンですくって召し上がれ」
なんて、ご指導くださるわけ。優しい方でしょ。その方はアタクシ以上にひっくり返っていたはずなのに。
今の世の中、加工品も流通して、多くの場合は忙しい現代人向けにそのまま使えるようになっていますからね、鬼皮付きの栗なんて買ったり、ご近所様にもらったりなんてことはないのでしょうね。従って、キャピキャピガールズのおよそ四半世紀という人生において、栗が鬼皮付きで半分になって目の前に出てくるなんてことはないわけです。
ところが、ある一定の年齢以上の社員は、当たり前のようにスプーンで食べて、何事もなかったかのように新聞を読んだり、テレビを観ていたり。鬼皮を手で剥くなんて発想すらないわけ。そらそうですよ。この世代の線引きはどのあたりにあるのでしょうか。
まあ考えてみれば羨ましい限り。彼女たちにとって、栗と言えばケーキの上に載っているか、瓶に入っているか、炊き込みご飯用として事前に用意されたものか、いずれにしてもツヤツヤと黄金色に輝く、あの栗なわけですから。小さいころ手が痛くなるまで鬼のように包丁で鬼皮を剥かされましたアタクシといえば、栗はおいしいけど食べるまでは少々手間のかかるものというイメージです。
もしかしたら、ウニのようなイガイガに入っているものだとは知らない人もいたりして・・・!?
まさかね。
ま、何が言いたいかって、アタシだってつい最近までは若年世代として長老先生たちに「今の若い者は・・・」と言われていたに違いないのに、あっという間に、年増として若い人たちとの間に確固としたジェネレーションギャップを感じるようになってしまったことがショックだったということ。
頭の中は何も変わっていないのに。ボケーッとしている間に、世の中は変わり、自分は歳だけとっていくのね。
まさにクリショック。
キャピキャピガールズがカワイイ爪で栗の鬼皮を剥いているシーンを目の当たりにした瞬間、目の前は秋寂ぶ色の景色に変わりましたよ、ええ。ちびまるこちゃん風の木枯らしも吹き始めたさ。
食欲の秋を通じて、ただならぬ寂寥感と悲哀を感じたデキゴトでした。
あぁ・・・