千両の赤は何色なのか
2022.11.01
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
週末の夕刻、ぼちぼちご近所を散歩していましたら、まあ千両の実がよく成って真っ赤に色付いているではありませんか。夏頃小さくて地味な花をつけていましたが、気づけばもう出荷できるくらいに(出荷用ではありませんが)赤色に。
昨日の小欄でご紹介した書籍にある表現でいきますと、千両色はどう表現できるでしょうか。
赤色の表現としては、「思ひの色」「猩々緋」「カニの赤」「クラッシュドストロベリー」「メディチ家の赤」「ルージュエクルビス」「血紅色」「小悪魔ゴブリンの赤」などがありました。
千両の実は赤めの朱色ですから、「カニの赤」、「クラッシュドストロベリー」あたりがいいでしょうか。お正月商材でなければ、「小悪魔ゴブリン」の赤なんていうのもいいかもしれませんが、なんだかペスカトーレのメニューの名前のようでもあります。千両を洋花のマーケットに売っていきたいことがあるとすれば(仮)、「メディチ家の赤」のような名前もいいかもしれませんね。
とはいえ、いまの千両の取引状況を冷静に鑑みれば洋風に名前を付ける必要もなく、品薄すぎて洋花マーケットへの進出を検討するステージにはないかもしれません。
今後しばらくお正月需要でいくとすれば、ご出荷の際になにか和風で縁起のよさそうなオリジナルの名前があると、それだけで千両は小売りの現場においても価値が上がりそうです。「千両」として販売するだけではなく、そのスペシャル名前があると注目されやすいのではないでしょうか。
ちなみに千両は過去5年間の取引データを分析すると、品薄筆頭にいらっしゃいます↓
詳細はフラワービジネスノート2023「Data17」をご覧くださいませ。
それではみなさま、ごきげんよう。
サクラの花は開花しましたが、千両の「花」見たことありますか?
2021.03.15
こんにちは。泥油育子です。
昨日、東京では桜の開花宣言が発表となりました。東京以外でも長崎市と松江市で開花と発表されたようですね。
だいぶ早い印象です。
今朝のNHKラジオ「マイあさ!」市場情報では、花市場では現在年間最大の繁忙期を迎えていることと、旬の花として「サクラ」をご紹介いたしました。自生種、園芸種を含め、日本に現在何種類くらいあるといわれているのか、またその中で市場流通する品種が何種類くらいなのかなど、品種情報に加えて、ステイホーム需要に伴う今年の桜の注文の変化や、ご自宅での飾り方などをご紹介いたしました。
今、先週から泥油のデスクに飾らせてもらっている啓翁桜は花が満開の状態ですが、新緑の若葉が芽吹いてきまして、これまた大変乙な雰囲気になってきました。
小欄でも先月ご紹介した大田市場内のカワヅザクラは、一足早くすでにこんな感じに。すっかり葉桜模様です。
本年2月22日の当ブログ → 本日撮影3月15日
→
なんだかお彼岸目前で太陽の力もこの数週間でかなり強くなっているように思います。
さて、そんな桜の花は多くの方がご覧になったことがあるものと思いますが、話は変わり「千両の花」をご覧になったことはございますか?
年末に正月の縁起物ととして出回る千両。千両って意外と庭木としても植えられているところ多いですよね。拙宅のご近所様や駅周辺の植栽などでも千両をよく見かけますが、「あ、千両だ」と気づくのは、実がなるころです。夏くらいにグリーンの実がなり、そこでやっと「あ、ここには千両が植えられているんですね」と認識することになります。
しかし、その前の花の段階ではなかなかそこに千両があることを認識できません。千両がそこに植えられていると一度学習しても尚、開花期には千両を認識できず素通りしてしまうのです。
「千両の花ってどんだけ地味なん?」
と思われたみなさま、そのとおり、千両はかなりの地味花です。
はい、千両の花はこちらです↓大田花きの事務所で撮影いたしました。
大田花きの事務所で、「千両の切り枝に花が咲いた!」というニュース速報が流れまして。
見に行ってみますと、こんな感じの花でした。ここからまたパカッと咲くのかと思いきや、これがもう開花の状態。しかも、これは大田花きの従業員が昨年末の千両のサンプルを飾っておいたら、実が落ちた後にこのように花が咲いたそうです。
って、えー、もう3か月くらい切り枝で元気で、開花しちゃったということですね。
すごいな、千両。桜見てる場合ちゃうで。千両の花見な。
いえ、桜の花もしっかり見たい🌸
桜は見上げますが、千両は腰くらいの高さです。室内に置いておいたので今開花していますが、外気では5-6月ころに咲くでしょうか。庭木の中でこんな花が咲いているのを見かけたら、それは千両の花です。かなり貴重な開花シーン(なかなか気づけないから)だと思いますよ。
お花見シーズン直前に、地味花千両のご紹介まででした。
それでみなさまごきげんよう。
12月16日 千両市でした
2018.12.17
昨日12月16日は、大田市場では千両市が開催されました。
セリ前のアナウンスでは、千両のセリ入荷量は昨年対比50%と。(全体では60%くらい)
梅雨明けが早く乾燥のために花の付きがよくなかったことに加え、台風、強風、大雨などによる実落ちによる出荷量の減少が大きな理由のようです。
千両のセリ中、アタクシがいたところからはセリ台1レーン分しか見えなかったので、何とも言えませんが、その1レーンを見ていた限りでは、頭(最初に競りにかけられる商品。一般的には、最も品質の高い上位等級品が最初に競りにかけられる)より、その後に続く千両の方が、若干セリ値が高くなっていました。それだけ品薄感を反映しての動きとうことでしょう。
さて、そんな様子が東京MXテレビのニュース番組で報道されました。
ということでみなさま、今年は千両が品薄気味ですので、お正月用の千両は「もう少し近くなったら準備」と思わず、店頭で良いものを見つけたらその時がチャンスです。お早目にどうぞ。
12月16日(日)は日本農業新聞のトップにこちらの記事。明るいニュースでした。