花研コーヒーブレイク
報道の自由と報道しない理由
2015.09.16
テニスのUSオープンは、男子シングルスで日本人の國枝慎吾選手が優勝しました。スゴイ!
車いす部門の話です。単複連覇し、四大大会ではシングルだけでも20回目の優勝です。
準優勝は同じく日本人の上地結衣選手。こちらは車いす女子シングルス部門。
ふたつとも話題性がありスゴイ話だと思うのですが、なぜかTVニュースではなかなか紹介されません。
インターネットニュースには掲載されています。新聞には文字列で数行で紹介されていることもありますが、男女シングルスに出場している外国人選手の記事の方がスペースが大きいし、写真も付いています。
まだ錦織選手のランキングがここまで上位ではなかった頃、日本人のある取材班がフェデラー選手に聞きました。
「日本人には、なぜテニスの強い選手が誕生しないのでしょうか」
すかさずフェデラーが答えました。
「日本にはKUNIEDA選手がいるじゃないか」
このやり取りは話題になりました。
ではなぜ日本のメディアは國枝選手や上地選手の活躍を報道しないのでしょうか。
強すぎて勝利が当たり前のようになっているからでしょうか。
いや、レスリングでは吉田沙織選手の世界大会16連覇が話題となっています。もちろん連勝たるもの偉業であり、決して当たり前のことではありません。
では、出場者の分母が小さいからでしょうか。
車いすの男女シングルスは、それぞれ8ドローによるトーナメントです。(その前に予選があるかどうかはわかりません)
一方、ジョコビッチや錦織選手がエントリーするシングルは128ドロー。その前に予選があります。
128(or more)分の1か、8分の1かで話題性が異なってくるということなのでしょうか。
いずれにしても、報道の自由がありますし、報道しないのも自由なのですが、車いす選手の活躍ももう少し取り上げられてもいいのではないかと思います。國枝選手にしても、上地選手にしても相当な偉業ですよ。國枝選手は車いすテニスでは単複世界ランク1位です。
ジョコビッチが車いすに乗ってテニスをしている動画がFBに掲載されていましたが、だいぶ難儀していました(笑)。
車いす戦なら國枝選手はジョコビッチ選手に勝てるのではないかと思います。逆もまた然りと思えば、それぞれに得意な分野があり、両者ともその分野で1位であることは紛れもない事実なのです。USオープンにおける國枝選手や上地選手の健闘をもっと称えたいし、もっと国民で祝いたいものです。
是非、報道はできるだけ偏ることなく、選手の価値ある偉業を国民に伝えるよう期待したいと思います。