花研コーヒーブレイク
ドイツの花き流通事情
2015.06.18
テニスのウィンブルドンの前哨戦として、ドイツのハレという都市でゲリーウェーバーオープンが開催されています。芝のシーズンの始まりです。
(今までバルセロナ、マドリッド、イタリア国際、フレンチと、クレーコートのシーズンでしたが、今回から芝コートになります。)
第1試合を順調に勝ち進んだ錦織選手。今日は第2試合に挑みます。相手はドイツのダスティン・ブラウン選手。ATPランク119位ながら、“レゲエか!?”と突っ込みを入れたくなるようなドレッドヘアの風貌で、トッププレイヤーをも打ち負かしてしまう実績を持つユニークな選手です。地元ドイツの声援を追い風に、錦織選手も油断できません。超独特なプレーヤーを相手に、錦織選手がどのように戦うか、楽しみにしたいと思います。
さて、第2シードの錦織選手は第1試合からセンターコートで試合を行っていますが、コートの周りに花は植栽されていませんでした。ドイツは鉢物の生産が盛んなので、どんな花が使われるのかと興味を持っていたのですが、今回は残念でした。
あまりテニスネタばかり書いていると、テニスの生活研究所になってしまいますので、一応ドイツの花き流通事情についても少し触れてみることにします。ドイツの生産、流通、消費については”International Statistic Flower and Plants2014″によると以下の通り。
◆生産
生産面積は約7,000ha(2012年)ですが、全体的には縮小傾向。
生産額は、切り花と鉢物で20億ユーロ、観葉植物で13ユーロ、苗木8億ユーロ。
観葉植物やガーデン用の苗ものの生産が盛んです。
◆流通
ドイツにはランガード(売上約12億ユーロ)とラインマース(売上約3億ユーロ)という、世界でもフローラホランドに次ぐ大規模な花き市場があることが特徴。
また、消費者が生花を買う場所は63%が生花店で、ここがメインです。ALDIなど大手スーパーもあり、生花販売に力を入れていますが、スーパーの販売チャネルのシェアとしては16%です。
ちなみに日本の場合は、生花店がおよそ50%、スーパーが30%弱です(2009年、総務庁)。1994年には生花店が70%、スーパーが十数%でしたので、短期間に随分構造が変わりました。(詳細は小欄2015年2月2日をご覧ください)
ドイツは輸入も多く、オランダから切り花20億ユーロのほか、デンマーク、イタリア、ベルギーなどからクリスマスツリーや花鉢、観葉植物、苗などを輸入、総額23億ユーロほど。自国の生産金額と同じくらいを輸入するということですね。
輸出は、オランダに向け2億ユーロ、そのほかオーストリアやスイス、フランスに鉢、苗物を輸出、総額7.4億ユーロ。
◆消費
一人当たりの花き消費金額(ガーデン苗、観葉、切り花)は139ユーロ(2012年)。同じ統計表で日本は66ユーロとなっていますから、円安を考慮しても日本人より消費していることになります。参照したデータブックによると、最も消費しているのはぶっちぎりでノルウェーでした。以前はスイスが一番というデータを見たことがありましたが、今回のデータブックにスイスは掲載されていませんでした。
全く以って勝手な持論ですが、1年の日照量が少なかったり、気温が低かったりする国の方が花を消費しやすい傾向にあると思います。(関連ブログ)
(以上、”International Statistics Flowers and Plats 2014″ byAIPHを参照いたしました。)
今日はこの辺で。