花研コーヒーブレイク
母の日の花贈り
2015.05.05
今日は子供の日ですが、間近に迫った母の日に因んで。
生花店さんは1年で最も忙しい時を迎え、場合によっては寝ずに納品準備をされるところも多いと聞きます。母の日は1日だけで、そこに注文が殺到するからです。母の日が「母の日ウィーク」くらいに分散されると、生花店さんも少し納品の準備がしやすくなるかもしれませんね。
それはさておき、母の日の花贈りについて良く聞かれることがあります。それはカーネーションやその他の花の花言葉について。
しかし、日本では花言葉による花贈りの習慣はありません。良い花言葉が見つかったときは、その言葉を添えてもいいかもしれませんが、あえてネガティブな花言葉を載せて花贈りをする習慣はありませんし、生花店さんも 一般的には推奨していないはずです。
まず、花を受け取ったお母様たちにお願いしたいこと。
一、花言葉を詮索することなかれ
受け取った花の花言葉をインターネットで調べて、たまたまネガティブな意味が出てきたからといって、嫌味だと思わないでいただきたいなと。
黄色いカーネーションにはネガティブの花言葉あるのでは?というお問い合わせもありましたが、ここ数年黄色やオレンジ、グリーン系のカーネーションはビタミンカラーとして販売量が伸びています。素敵な花束に黄色のカーネーションが使われたからといって、その花贈りにネガティブな意味が込められるわけではありません。生花店さんもそれは意識していないと思います。
またある生花店さんでは、母の日に「カーネーション以外でアレンジメント」という注文があり別の花を使ったら、受け取り手のお姑さんがその花言葉を調べたそうです。すると、たまたまネガティブな意味が見つかり嫁姑の中が険悪化した・・・という体験談を伺ったことがあります。お嫁さんの方には全くその意味はなく、生花店さんのチョイスはこの時期の旬の豪華な花で、良く日持ちするものという視点だった・・・にもかかわらず、お姑さんがわざわざネガティブな意味を拾ってきたように思えてしまいます。インターネット情報にも花言葉はたくさん掲載されているようですが、出典がそれぞれですし、統一見解はどこにもありません。
是非、贈り手の気持ちを踏みにじらないように、贈られたは花は有難く受け取ってほしいと思います。
また、贈り手はいらぬ誤解を生まぬよう、口頭やメッセージカードなどで必ず一言添えるようにするといいかもしれませんね。
一、キクを敬遠することなかれ。キクは高貴な花です。
いただいた花の中にキクが入っていても、「私はまだ死んでいないわ!」なんて頓珍漢なクレームはくれぐれもご遠慮ください。キク、イコール葬儀の花ではありません。
平安時代から天皇家の花だったり、長寿を祝う花だったり、むしろ高貴でおめでたい花です。現在では、品種改良も盛んで大変おしゃれでデザイン性の高い品種がたくさん流通していますし、気温が高くなり始めるこの時期でも日持ちが良いのが何より人気。
考えてみれば、キク科の花は私たちの身の回りにたっくさん!豪華なダリアやヒマワリ、ガーベラなどもキク科の花。それでも尚、キクは葬儀の花と言い続けますか?
母の日の花贈り、贈られた方は嬉さのあまり「もっとその花を知りたい!」と花言葉などを調べたくなってしまうこともあるかもしれませんが、日本の文化にはネガティブな意味の花言葉を載せて花贈りをする習慣はないということ、また華やかな品種が多彩なキクもまた、母の日ギフトには重宝される花であるということをお含みおきいただけると幸いです。