花研コーヒーブレイク
地域別 生花店の移り変わり
2025.03.13
花研の一研究員です。
わたくし、たまたまJR大森駅が最寄りの駅です。自宅までてくてくと歩いて15分ぐらいはかかります。大森から馬込という方面に向かいます。このあたりは台地がありまして意外と高低差があるので歩くと面白い。台地を登って尾根を歩くルートや台地周りを歩くルートなど散歩も楽しいエリアなのです。自宅まで帰るにしても3通りの道があります。その中でも時々ジャーマン通りと名のついた道を使うことがあります。その通りは大森駅から環状7号線に向かって緩やかな上り下りになっている道です。その坂の両側には住宅やらお店やらが並びます。
2年前までは、ジャーマン通りに生花店さんが2軒ありました。これが1年かもう少し前にもう1軒増えて3軒になり、今年に入ってさらにもう1増えて現在4軒になりました。
生花店の新陳代謝というよりも、純増+2です。それぞれの店舗はテイストが異なり、個性がそれぞれあります。雑貨テイストを打ち出すところ、ここは観葉植物が多めでなによりお店オリジナルデザインプリントの雑貨が目立ちます。造花なども置いてあるのでライフスタイルショップ的な感じです。こちらが最近オープンしたところです。次に新しいところはもっと植物の楽しさを前面に出しているお店です。大小種類様々な主に小花類を前面に提案しています。カラフルさがPOPな感じでイラストレーターの絵のようです。もう少し、ジャーマン通りを環状7号線に向かって歩くと、道はゆるやかな下り坂になります。その坂を下りきったあたりにあるのは、洋風でおしゃれだけどもかちっと正確丁寧な仕事をするフローリストさんのお店です。ギフト需要に定評があり、物日になると並んでいます。そしてジャーマン通りの出口と環状七号線が交差する付近にあるお店は、季節の定番を丁寧に売る老舗です。間口が広く明るく、季節定番の苗ものがお出迎えしてくれます。こういう感じで4軒あります。
利用する世代が違うからすみ分けがあるのかしら・・・それぞれ個性を発揮しながらお店を経営されている。このように生花店がどんどん現れるのは花き業界の強みなのではないかしら。
生花店の新規開店がある動きというのは全国的にはどうでしょうか・・・。日本は都市化がますます進行中ですから、ある程度の規模の市町村にどうしても集中するのでしょうが、同じく生花店がどしどし新規開店しているのではないでしょうか。自分で全国各地をくまなく歩いて確認することができればいいのですが現実的にはなかなか難しいものです。
そこで私が時々参考にしている便利なツールを一つご紹介したいと思います。
政府のオープンデータの一つにRESASというネット上で使える地域分析データベースがあります。このデータベースを使うと、地域毎の様々な業種のお店や営業所をマッピングした情報が得られます。業種ごとの住所データは電話帳由来で、過去10年に遡ることができます。ということは過去と現在の比較ができるということです。以前はあった今はここにある減った増えたをマップで見ることができます。直観的に動態をつかむにはとても興味深いツールだと思います。
是非それぞれの地域での生花店の移り変わりを御覧いただきたいと思います。
この図は、RESASを使って宮城県仙台市の中心街の生花店(2019年 青丸が生花店)の様子をあらわしたものです。電話帳に登録された業種別データとZENRINの地図データを活用してこのようなビジュアル化されたデータベースが提供されているのです。RESASはこちらから実際に利用することができます。
都市化で都市部は生花店が増えていると思うのですよ!
ではまたね。