花研コーヒーブレイク
衝撃のデータ・・・切り花消費・53年目の真実
2025.02.11
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
本日は総務省から発表された衝撃のデータをご紹介したいと思います。
2024年の切り花支出金額(二人以上世帯、一世帯あたり)は税込み7,684円でした。前年が8,034円ですから単純計算で350円のマイナスです。
1972年の切り花が単独項目として統計が発表されて以来、こんな風に推移しています。
【全国切り花支出金額推移 (二人以上世帯)】
2024年の税込み7,684円は、同じく切り花支出金額がピークであった1997年の58.5%に値する金額です。
また、税抜き換算ではピーク時である1993年の55.7%に相当します。
購入頻度も減少しています。1世帯当たりの切り花購入頻度は、10年前の2015年は全国平均で年間9.00回だったのが2023年では7.46回に、2024年は7.17回とさらに減少。ここ10年で最も頻度が低い数字となりました。
購入世帯割合も減少しています。10年前の2015年は36.21%でしたが、2023年には29.43%、2024年は28.24%という数字が発表されました。
2023年は、購入頻度は下がったものの、支出金額はアップ。ここ数年続いている品薄単価高が影響したように思います。しかし、2024年は消費離れの減少が出始めたでしょうか、頻度も金額も減少しています。
そしてもう一つ、この度発表された家計調査から読めるデータをご紹介したいと思います。
2024年の7,684円は額面通りに捉えれば、1985年の切り花支出金額とほぼ変わらないのですが、物価は変わっています。そこで、物価指数2020年基準をもとに切り花支出金額を1972年から計算、これを実質金額としてグラフにしてみますと次のようになります。
【全国切り花支出 実質金額推移 (二人以上世帯)】
ピークは1993年です。1972年は7,212円、1973年は7,409円、1974年は7,189円と3年間は低調でしたが、1975年(7,831円)と以降、経済成長とともに支出を延ばしてきます。72-74年といえば第2次ベビーブームとドンピシャでタイミングがはまります。この期間に支出が低迷していたのは、これはあくまでも仮説ですが、出産や子育てで何かと物入りだったり、切り花を家に飾ることを控えたりするご家庭が増えたからではないでしょうか。このころのママ世代は生け花も盛んにやっていた頃です。出産で生け花のお稽古を控えるということも影響した統計データかもしれません。
ここでアタクシが申し上げたいのはそのことよりも、2024年の切り花支出の実質金額です。
物価指数を考慮して算出しますと、2024年は7,082円。1974年よりも低く、また切り花の統計が発表されている53年間の中で最低金額であるということです。確かに物価上昇率が高い分、切り花支出金額が低くなってしまうということはあるでしょう。とはいえ、実際に購入頻度も購入世帯割合も減少していることを考えると、全体的にはなかなか明るい要素が見当たりません。個人支出に焦点を当ててマーケティングをしていくことで、今後消費の回復、拡大を見込めると読み解くこともできるのではないでしょうか。
そこで生産者のみなさまには、さらに増産をお願いしたいところです。生産減少の一途では、品薄感が増して花が高値になり、益々消費者は花を使わなくなってしまうでしょう。これまで買ってくださったお客様でさえも、頻度や本数を減らして購入されるようになってしまうかもしれません。
このように、緊迫感を煽り調子でご紹介させていただいたものの、これはあくまでも数字であり、実態すべてを反映しているとは限りません。一つの手法に基づいた消費把握の方法として、私たちが参考にしているものです。
全国の平均としては、このような数字が出ましたが、これをまた年齢別に分析してみると、なかなか驚きの数字を見つけることができました。それはなかなか希望の持てるデータです。
明日以降、どこかのタイミングで年齢別の支出金額をご紹介したいと思います。
それではみなさま、ごきげんよう。