花研コーヒーブレイク
家計消費の花きデータを見誤らないために
2025.01.29
こんにちは。花研の一研究員です。
総務省発表の家計支出データは毎月発表されます。切り花と園芸植物関係は、私も仕事でよく使います。月ごとに発表されるので、一世帯あたりの切り花の支出金額は、12か月分を抽出すると1年の支出金額になり、この一世帯当たり1年のデータに全国の世帯数をかけたりすると、日本中の年間支出額が花業界のマーケットサイズとして仮に導き出されます。
「仮に」としたのは、支出金額がざっくりとした平均過ぎるからです。花を買わない世帯もいれば、たくさん買う方もいらっしゃるので、データはあくまでもざっくりです。以前はここまででもよかったのですが、最近はこの数字を更に補正して検討する必要があります。
補正する必要がある要素は物価の上昇です。ここ数年物価上昇が著しいので、やはり加味する必要があります。それを考慮しないと、年間支出額はほぼ横ばいというように見えてしまうのですが、物価の上昇を考慮して計算しなおすと微減です。この微減であるという事実の認識を忘れてはいけないと思っています。
消費税が上がった年に年間の消費金額が上がったように見えるマジックにとらわれたり(いやマジックというほどのことでもありませんが)、バブル崩壊後も尚花き消費が伸び続けたという誤解を導き、データを見誤ってしまう可能性があります。すると業界全体のマーケティング戦略を誤ってしまうことすら考えられます。家計消費データを見るときは、物価上昇率も一緒に考慮しましょうというお話でした。
それではみなさま、ごきげんよう。