OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

大盛況の花いけバトル花擂台(ファーレイタイ)

2024.10.30

こんにちは。花研の研究員です。

 

先日の小欄でご紹介しました通り、10月28日に中国版花いけバトル花擂台(ファーレイタイ)のこけら落としがありました。その様子の一部をご紹介したいと思います。会場は80名近くのお客様で満員御礼。中国の方から日本で花いけをされる高校生(引率の先生と一緒に)まで、幅広い客層で、とても盛り上がりました。

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本日のバトラーの皆様。中国からのゲスト3人と日本人3人の合計6人。

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対戦は1回戦から決勝まで、敗者復活戦を含む計8回。特に盛り上がった(と個人的に感じた)瞬間3つを切り抜き以下にご紹介いたします。

 

ーン①中国語のカウントダウン

花いけ時間の終わりを知らせるカウントダウン。「残り時間3分、1分、10秒、9、8、7・・・」とこれはもちろんいつもは日本語で行いますが、今回はファーレータイ。今回は花いけバトル初の中国語でカウントダウンが行われました。きれいな発音でキレのあるお声に会場の中国の方も乗っていらして、会場が一体となり盛り上がりました。あとで聞いたところ、花いけジャパンプロジェクトの方がファーレータイのために中国語を勉強されているのだとか。

 

シーン②グラグラ花瓶

4回戦で登場したバトラー平間磨理夫(ひらま・まりお)さん(中国名で「まりお」は「モリフー」と読むのだそう。MCの紹介がお上手で、会場で大ウケでした)が選んだのはオレンジの細長い花瓶。それを3つ積み上げるという大胆な技を披露しました。

花瓶に枝か茎が硬めの花を挿して、その枝に上下を逆さまにした花瓶をバランスよく被せて固定するという方法で見事に3つ積み上げました。すごい荒技です。

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当初花瓶が倒れないかハラハラした会場から上がった「え~!」という悲鳴にも似た声は、コスモスまで生けて見事に立った時には「おぉ~~!」という驚嘆に変わっていました。5分というプレッシャーの中、絶妙なバランス感覚で積み上げ、会場をハラハラさせつつ成功したところが素晴らしかったです。

 

シーン③決勝戦 

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やはり決勝戦が最高潮の盛り上がり。曽我部翔さん(写真左)と李昢冉(リペイラン)さん(右)の対決となりました。曽我部さんが以前中国で花いけバトルを行った際、通訳や花の仕入れなど、現地でずっとお手伝いをしてくれたのが李さんだったそう。曽我部さんが紅葉した枝物とグロリオサを生け、グラデーションが引き立つ美しい秋の作品を仕上げたのに対し、李さんは流木を組み花瓶を横に寝かせ、花瓶の口からメラレウカなどを挿し、あふれ出る滝のような作品に。

 

結果は、1点差で見事曽我部さんの優勝!僅差の素晴らしい勝負、会場は大盛り上がりのうちに幕を閉じました。

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2013年に始まった花いけバトルは、2017年、JACEイベントアワードの最優秀賞である経済産業大臣賞とイベントプロフェッショナル賞を同時受賞。ノンバーバルで世界中の誰もが楽しむことができる点が高く評価されたのだそうです。そして今や中国でも開催されるようになり、今回のバトラーのおひとりでもある关越(Guan Yue)さんが中国で設立した会社「花道宇宙」でファーレイタイを推進しています。

 

スポーツのように激しい戦いの中で予想を超えたプロの技を拝見でき、とても勉強になる大会でした。高校生や中国の方を含む観客のみなさまも、良い刺激を受けた方が多くいらっしゃるもの想像します。日本も中国も個人消費の低迷が続く昨今ですが、このようなイベントが国内や海外においても花の消費拡大につながることが期待できますね。

 

ちなみに花きの輸出入において日本の最大の取引国は中国です。日本に輸入される花きの生産国についてはフラワービジネスノート2025のData15にまとめていますので、ぜひご参照ください。

表紙2025

 

それではみなさま、ごきげんよう。

 

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