花研コーヒーブレイク
立てば芍薬、座れば牡丹、どれほど知ッテル小学生?
2014.04.03
ハイ、みなさま、 ここでクイズです!(ってえらい唐突ですが・・・)
これらは何の花でしょうか。それぞれ色は違いますが、全て同じ花です。
恐らく小欄をご覧いただいている方は、花に関しても知識豊富な方ばかりで、正答率が相当高いと思います。
正解は・・・
そうです。
シャクヤクです。
このシャクヤクにまつわるびっくりストーリーがありました。
本年2月、3月、大田区内のいくつかの小学校でおもしろ理科教室の授業にお呼び頂き、合計で8クラスほど植物の不思議についてお話させていただきました。
そこでのことです。季節の花をクイズ形式で出していまして、まずシャクヤクの写真を見せて何の花か当ててもらいました。
多くの児童が
「バラ!」
と推測しました。フランスでは「5月バラ」(ローズ・ド・メ)と呼ばれるだけに花形は似ているので、それも無理ないでしょう。
そこでヒントを出してみました。
「立てば●●●、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
のフレーズに使われる花だと。
驚いたのはここです。
なんとこのフレーズを知っている児童がゼロだったのです!
およそ300人の児童に同じ質問をして、このフレーズを知っている人は一人もいなかったのです。
ちなみに写真からシャクヤクを当てた児童もゼロでした。
もしかすると、知っていても恥ずかしかったり、自信がなかったりで知っていても言い出せなかった児童もいるでしょう。
それは想定の範囲ではありますが、正解を言えた人は誰もいなかったということに衝撃を覚えました。このフレーズを使ってご家庭で話をすることもないでしょうし、本を読んでいるからと言って出てくるとも限らないので、考えてみればそれも自然の理かもしれません。
さて果たして、私が小学生の時は知っていたでしょうか。
うーーーん、自分自身がいつその言葉を知ったのか、ちょっと思い出せませんが、絶対知っていたという確証もありません。
人は日々の生活や学校、仕事の中で自然に覚えること、学んでいくことが多々あります。むしろその方が多いのでしょう。
現代の小学生も、今は知らなくても、またそのうち生活の中で「立てば芍薬~」のフレーズに出合う機会があるといいですね。美人を花に喩えた乙な表現が消えてなくならないように願いたいと思います。