OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

ディスカッションとは

2010.02.02

日本人(だけではないかもしれませんが)は、皆の前で自分の意見を言うということに慣れていないのではないでしょうか。
 
つまり、ディスカッションが苦手というか、単に慣れていないだけなのでしょうけど、「ここは黙っておこう」と「空気を読んだ」つもりで同調するケースが比較的多いような気がします。
だから会議などでも一方的な意見で終わったりして、異見を持っていたにもかかわらず、同意したこととみなされる。
それは、その場の空気感を支配する人に理由があるとする場合もあるかもしれませんが、発言する人のスキルが足りないということも多分に言えるでしょう。
 

 

さて、ディスカッションとはどういう意味でしょう。
 
辞書で引くと「討論」と出てきます。
私はこの翻訳に少し違和感を感じます。
「討」という字を漢和辞典で引くと、「悪人を攻める」「上の者が下の者を攻め討つ」「相手を攻め滅ぼす」、その使用例として「討伐」「討滅」「討ち入る」「討ち滅ぼす」「討ち死に」・・・などなど、なかなか穏やかではありません。
 
しかし、英英辞典で”discussion”を調べると、”talk with someone about something”と出ています。つまり何かについて誰かと話をするという意味で、誰かを攻めたり、咎めたりする意味は一切含まれていないのです。
 
次に、”discuss”の語源を紐解くと、「dis-」は否定の接頭語で、「cuss」は「呪う」、「ののしる」という意味の「curse」に由来しています。(一説)

従って、”discuss”は「恨みっこなしよ」という意味になります。
欧米人は徹底的にディスカッションをした直後でも平気で一緒に食事に行ったりしますが、本当の意味でのディスカッションを理解していない日本人、或いはディスカッションに慣れていない日本人は、意見の対立をキャラクターの対立と捉え、後のことを憂いるあまり自分の意見を言うことをためらいがちになってしまうのではないでしょうか。
もちろん場数を踏んだりトレーニングをされてきた方もたくさんいらっしゃいますが、多くの場合学校でディスカッションのスキルを教えられたり、トレーニングを積むことはありません。お恥ずかしながら私も然りです。

相手の意見を尊重しながら、自分の意見をロジックにわかりやすく、詳細にしかし端的に自信を持って話すということを学ぶ場がもう少しあってもいいのではないかと思います。職場でもそのような場をトレーニングとして奨励していくといいのではないでしょうか。
終わった後に対立する意見を持つそれぞれの仲が険悪になることはありません。彼らは良い仲間になるはずです。

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