花研コーヒーブレイク
アフリカのバラ生産の方向性について
2024.07.08
花研の一研究員です。
私ごときがアフリカのそれもケニアの花き産業方針にとやかくいうことはないのですが、昨年とあるメルマガを読んでいましたら、香料の原料になるバラがケニアで周年生産できるかもという衝撃的な記事がありました。記事はこちらです。
香りのいいバラというのは通常は一季咲きなのです。それが二季ないしは周年開花し収穫できるかもとはたまげた話です。古代エジプト、古代ローマの物語を紐解けば、バラの香料は歴史的な出来事には必ず添えられるほどの存在感があります。今でこそ合成香料が世界の香料産業の大部分のシェアを占めているとはいえ、ナチュラルな香料の素晴らしさが損なわれたわけではないと思います。
僭越ながら毎年、小学生向けにバラの香りに関するちょっとした授業を大田区内で行っています。手持ちの貴重なローズオイルを振舞って、本物の香りを体験してもらっていますが、好評です。
さて、アフリカはケニアのバラ生産はどうなったのか、詳しいところはその香料業界の方に伺うとして、このブログでは貿易データから推測してみます。世界の貿易データ(ITC)のサイトからケニアから輸出された香料原料成分の金額を調べてみました。
香料原料成分に割り当てられたHSコードは第33類、精油・レジノイド・調製香料及び化粧品というカテゴリーです。ケニアからの輸出データを2021年、2022年そして2023年と調べたところ、33類に該当する実績がありませんでした。今のところはまだまだ難しいのかもしれませんが今年も期待しています・・・。
ここまでは昨年の振り返りでこれ終わりのつもりだったのですが、EUとケニアとでEPAが7月1日に発効され、ケニア産の切花は無税でEUに輸出されるようになったそうです。フローラルデイリーの記事はこちらです。
ケニアから輸出されるすべてのものが無関税ということなので、これはこれはと思いました。そしてケニアのこのEPAの取組は、他のアフリカ諸国の取組の先鞭をつけるもので、ケニアに倣うところが出てくることが期待されています。
日本向け切花輸出にも影響あるんでしょうかあ、これはしばらくウオッチした方がいいかもしれませんね。
それではみなさま、ごきげんよう。