花研コーヒーブレイク
ピンポンノキ
2024.05.10
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
先週末、業務で横浜に出かけました。花のイベントがあったのですが、イベント会場に到着する前に目をひかれたのがこちら。
ピンポンノキとあります。
ご存知の方にとっては釈迦説ですみませんが、なぜ目をひかれたかというと、ちょうど開花していたからです。
この樹木の様子から想像もできないような花の様子はこちら↓↓↓
これまたユニークな形をした花ですね。
全く期待せずに、試しに鼻を近づけてみますと・・・
めっっっちゃバニラ臭!!ヌォ~(o;TωT)o” !
「超バニラ級」の香りがするではありませんか!目をつむってこの花を嗅いでいたら、バニラかチョコレートが目の前にあると勘違いしそうなくらい、めちゃくちゃバニラ。おいしそうな香りです。
ピンポンノキをなかなか市場で見かけることがないので、どんな植物かとピンポンノキを調べてみますと、学名はSterculia nobilis(ステルクリア・ノビリス)といい、アオイ(旧アオギリ)科ゴシュウアオギリ属の常緑高木とあります。俗名のSterculiaという名前は、もともと 肥料を発明したとされるローマの神 (stercus=肥料>排泄物の派生語) に由来しているのだそうで、つまりとても大雑把にいうと排泄物が語源と捉えていいでしょうか。Sterculia(ピンポンノキ属)の中にはかなり排泄物系の強香が漂う種類があるのかもしれません。ピンポンノキはたまたまバニラ臭でしたが・・・いや、別の人が嗅いだら排泄臭がするのでしょうか??
「バニラ様」か「排泄物様」かはさておき、いずれにしてもハエに受粉させるために、強香を放っているようです。
種小名のnobilisとはnobleのことだと思いますが、「高貴な」という意味だそうです。なぜnobilisなのか勝手に想像するに、この白いくるくるの花がバッハかマリー・アントワネット、はたまたお蝶婦人(ご存知ですか?日本人なのに金髪の巻き毛でテニスがお上手な高貴なお方)の巻き毛に見えるから・・・でしょうか??
あるいは排泄物臭が多いこの属の中で唯一バニラ様の高貴な香りがするからでしょうか。
なぜピンポンノキと名付けられたのか調べてみますと、そもそも中国原産のこの植物は、「蘋婆」と書くそうです。これをピンポーと読み、ここからピンポンノキと呼ばれるようになったそうです。英名でもPimpon Treeというそうなので、まさにピンポンの木。卓球のピンポンでもピンポンダッシュのピンポンでもなかったのですね。
ちなみに、ピンポンノキはこの花のあとに、栗とギンナンの中庸を行くような実が成り、台湾や中国ではお料理に使われるそうです。
葉だけだったら気付かなかったであろうちょっと面白い樹木に出合えて、小さな幸運を見つけた気持ちでした。
それではみなさま、良い週末をお過ごしくださいませ。ごきげんよう。