花研コーヒーブレイク
色の変化が「価値」に変わったタイミングはいつか
2024.04.02
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
先日、農研機構が色が変化するダリアについてプレスリリースを出しました。
花が展開していくにつれ、色が徐々に淡くなっていく現象を、「褪色」や「発色が不安定」と捉えず、「変化」としてプラスの価値に捉えたリリースです。
昔から色が、観賞期間中に変化する品種はダリアに限らずいろいろあったかと思います。私の記憶では、そのような性質の花は、「褪色しやすい」というマイナスの評価になっていました。バラのブルーイングに象徴されるように、まああれは品種の問題によるところは小さかったかもしれませんが、咲いたら花の色はできるだけ長く保たれるべし!みたいなのが鉄則だったように思います。
はて、一体いつから色の変化がプラスになったのかしらと。
花の流通で考えれば、一つにはマーガレットストロベリーホイップ(2019年頃かな)の流通があるのではないかと思います。一株なのに、赤、ピンク、白という順番で花色が変化して咲き続けるとてもカラフルで楽しい。色が変わることがポジティブに捉えているのです。
ほかにもダリアのNAMAHAGEオーブは、色の変化を特にPRしているわけではありませんが、最初のフレッシュな感じから、徐々にこっくりと大正モダンを感じさせるカラートンに変化していく姿に魅了された人も多いのではないかと思います。NAMAHAGEオーブも2016年くらいのデビューだったでしょうか??
直近の例で思い浮かぶのは、ガーベラのイギーを青っぽく染めたサリーという品種。最初はマットでありながらも比較的フレッシュブルーな印象ですが、時間の経過とともに、グレーが強くなり、いやでも形はほぼ変わらず、どうしたらこんな色合いを演出できるのだろうかと思うほどのニュアンスカラーに変化を楽しむことができます。
色の変化は、品目・品種特性によるもの、染め×品種によるもの、はたまた管理によるものなど理由はいくつかのパターンがありますが、どのような理由にせよ、原則切花の場合は展開すると色が褪せていくのがダメと言われていたのに、いつの間にかよし!と言われるようになったこの時代の変化はいつ到来したのかと訝しく思いました。
花のトレンドやファッショントレンドなど、諸々鑑みると、ドライフラワーやネイティブフラワーの人気が台頭し始めた2016年から2018年の間に到来したのかもしれません。ちょうどこのころからナチュラル嗜好も強くなってきました。
しかし、まあ切り花の評価については、どのあたりがターニングポイントだったのか、忘れてしまいましたよ。
それではみなさごきげんよう。