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プルックブーケの原点は日本の仏花ではないか説

2023.09.05

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

よくいう〇〇説というのはテレビ番組からの影響でしょうか。『マツコの月曜から夜更かし』という番組内コーナーで、「〇〇は◇◇という説」という巷の都市伝説的なニッチネタを、ほんの数名の一般人にヒアリングして検証した風に仕上げるコーナーがあります。その中途半端さやわざとらしさが冗談としてとても面白いのです。

 

今日ここで取り上げる「プルックブーケの原点は仏花のことではないか説」はもっと真面目な説です。(いや、あまり変わらんかもしれない)

「プルックブーケ」というのは2013年以降生み出された一本ずつ異なる花をつかった花束のことです。オランダ語でpluk boeketと書きます。plukとは英語でpickとかfetchに近いニュアンスの単語で、「取る」「摘む」という意味合いの言葉のようです。←元オランダ人(いまもきっとオランダ人?)の方に教えていただきました。野原や花がたくさん並べられているところから、ランダムに1本1本とってきて束ねた感じのブーケということのようです。花のネット販売をしているBloomon(オランダ2014年設立、現在は英国の花束デリバリー会社Bloom&Wild社の傘下)が、ホームページ上でプルックブーケのサブスク販売を行っています。そのビジネスモデルの新規性とデザインが広く知られているように思います。

 

トレンドは往々にして世界同時多発、あるいは世界瞬時伝播しますから、プルックブーケは日本にもデザインが伝わっていて、今年の大田花きの株主総会ではプルックブーケがお目見えしました。当ブログでご紹介したところです。

 

少し唐突な感じがするかもしれませんが、このデザインの源流は日本の仏花ではないかと思いました(花研内でも意見が分かれていますが、私はそう思います)。仏花は5色の花、それも大概は異なる品目を1本ずつ使い1つの束に仕上げます。カラフル花束になります。5色入れるのは陰陽五行に基づく様式美でありますが、このスタイルを西洋なりに解釈するとプルックブーケに繋がるのではないかと。あたかも日本から浮世絵が西洋に流出し、そのスタイルを解釈しなおしたゴッホやモネのようです。

 

いえ、決して日本文化が海外のマウントを取っているつもりではなく、お互いの交流と新解釈、古今東西の相互理解があってこそ新しい文化が醸成されるという話です。ススキが海外で評価されているようですが、日本ではどうだったでしょうか。古き良き植物という視点が強すぎてカッコいい植物というステージになかなか到達できなかったのではないでしょうか。ほかにも国内マーケットでの使い道は限られていたものが、海外では高く評価されたという品目が多々ありますね。

 

それはもちろん花だけではないようです。例えば、けん玉がそうではないでしょうか。ストリートでばりばりやっちゃうユーチューブから日本でもカッコよさが再発見されたかと思います。地域や文化が違えば評価も異なる、また双方向の刺激があるからこそ面白い。プルックブーケと仏花の共通点を見出し、そんなことを思った次第です。

バイチャ。・・・これも流行りそうな気がするな、EUで。

 

フラワービジネスノートはこちら。

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