花研コーヒーブレイク
花火のような花・・・花火花?
2023.08.07
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
7月29日に開催された隅田川の花火大会は過去最多の約103万人が来場したようですね。4年ぶりの開催といいますから心待ちにしていた人が多かったことでしょう。
大変な混雑だったと報道されていますが、現場の交通整理のおかげで大きな事故が起きず無事に終えられ、コロナ以前のにぎわいが戻ってきたことを思うとなんだか嬉しく思います。
そんな花火大会のニュースに触れた翌朝、仲卸通りを歩いていると、花火のような花を見つけました。(ま、そもそも「花火」が花のように広がる火花を例えた表現でしょうから、お互い隠喩が行ったり来たりしている感じです)
さて、その花火のような花はこちらです。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ピンクッション。
丸い形で赤色、オレンジ色、黄色と鮮やかな色の種類があります。南アフリカ原産で市場では8月頃から出回ります。
ピンクッションという名前は覚えやすい印象もありますが、由来を紐解けばピン+クッションで、お裁縫で使う針山のような形からきているようです。
写真では大きく見えるかもしれませんが、大人のこぶしサイズくらいです。針山全体が大きな1つの花かと思いきや、実は多数の花が集まって1つの花を作っているのです。
こちらが1つ1つの花。カーブをしていたり、伸びたりしている部分はめしべです。
↑写真の2つともめしべです。左側のめしべは、花の根元の部分(針山に当たる部分)に柱頭を入れて、その中で花粉を付けスッと伸びていきます。これが増えると大きな一つの花のように見えるというわけです。開いためしべの柱頭には花粉が付いていますから、ここに鳥などがやってきて花粉を媒介しています。ピンクッションは珍しい鳥媒花(もしくは虫媒花)なのです。
枝のように硬い茎と、この鱗がついた龍の首のようなどっしりしたと花首。しっかりしていますが花首を触ると少しふさふさとした感触でした。暑さに強くこの時期飾るには持って来いの花です。
1週間ほど水をやらずドライフラワーにすると、花1本1本がランダムに曲がって色が落ち着いたようです。わびさび感を表現していて、ここまでくるとまるで線香花火。
花をマクロに、またミクロに観察すると感性や表現力が豊かになりそうですね。
ちなみに、観察は目で見るだけではありません。ピンクッションは生花でもドライにしてもキュウリのような香りを感じました。また、ループ状に柱頭が刺さっためしべをプチっと抜くときの感覚も独特で気持ちいいです。クセになる感じです。興味のある方はぜひやってみてください。
それではみなさまごきげんよう。