花研コーヒーブレイク
新しい草の使われ方
2023.07.24
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
花き業界では草が人気の昨今です。グラスと呼ばれるイネ科のものや、柔らかなラインを描くグリーンが今のデザインにはマストアイテムになっていますね。
さて、草の使われ方が変わってきたのは、花業界だけではないようです。
「○○すぎて草」みたいな表現、SNSの投稿などで見たことありませんか。アタシヤよく遭遇します、ええ。自分では使ったことありませんが。
最初はこの「草」の意味を、勝手な自己解釈でちょっとやさぐれ気分を表現しているのかと思っていたのですが、もっとシンプルに「笑」の意味で「草」が使われていることに気づきました。
なぜ「笑」の置き換えかというと、「笑」→笑う→warauから「www」という表現にとって代わり、その感じが草がたくさん生えた草原のように見えることから「草」とか「草生える」と言われるようになったようです。
例えば、
「電車混みすぎて草」「電車混みすぎて草生える」と言ったりします。
電車が混みすぎて笑えるという意味ですが、「電車、人がいなすぎて草」よりは「混みすぎて草」の方がしっくりくることを考えると、やはりケースによっては若干のやさぐれ感も否めないではありません。
あるいは、「あの人、いちいちマウント取ってくるの、マジで草」
みたいに使われていますので、若干ネガティブな感情ですが、それを笑い飛ばしている感じでしょうか。もはやアタクシはネイティブ感覚では語感を理解しきれないので、違うこともあるかもしれません。
それがさらに進展して、「大爆笑」ともなると「wwwwwwwwww」と連打されることから、「大草原」と言われることもあるようです。おもしろいですね。
さらには、「大草原」→「竹」→「森」→「山」→「アマゾン」などとスケールが大きくなっていくこともあるそうです。笑えば笑うほど植林できて、最後はアマゾンに通ずるとは、これまた環境の意識から生まれる隠語なのでしょうか。いずれにしても使用しているご本人様たちは全くの無意識に違いありませんが。
また「草不可避」といえば「爆笑必至」という意味なのだそうです。
いや、花業界もいまや草不可避は同様の現象。人気の花束デザインは、草原の草花を摘みとって無造作に束ねた雰囲気を携えたもの。いやはや、どうやらどちらさまも草がトレンドのようです。
「空前絶後の草ブームすぎて草」
「いやむしろ、大草原並みのブームで草不可避」
「大草原で摘んだような花束デザインがトレンドって大草原」
ってことかな。使い方合っていますか?
使い方が違っていたら、草原は湿原になって失言ってことかな。この発想がもはや草世代ではありませんね。すみません。
近い将来、広辞苑に新しい意味として「草」の定義に追加されるほどまでに定着するでしょうか。あるいは、年末の辞書を編む人が選ぶ今年の新語に選ばれるでしょうか。でも新語ではないか。いずれにしてもアマゾンクラスの草ブーム、おもしろい社会現象ですな。
それではみなさま、ごきげんよう。