花研コーヒーブレイク
ツボミで満開?
2023.07.26
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
業界の方にとっては簡単すぎるクイズかもしれません。この花は何でしょうか。
はい、キキョウです。元千葉大の安藤先生が開発した日本に古くから伝わるキキョウを切花として商品化したものの一つです。
星型に開いた花も涼し気ですが、紙風船のようにふっくらと膨らんだツボミが印象的ですね。この風船のような形から桔梗は英名をバルーンフラワーといいます。
切花として多く流通するキキョウは通常初夏に開花するのですが、安藤先生が開発されたキキョウは一年で最も暑いこの盛夏に開花します。2020年の東京オリンピックのおもてなしには真夏に咲く日本在来の花がいいのではと、開幕に先駆け何年も前から開発されていました。その様子は本ブログでも2017年にご紹介したことがあります。(その時のブログはこちら)
以来、種苗供給も安定したのでしょう。店頭でみかけたので自宅用にいくつか買い求めました。冒頭で「ツボミ」と紹介しましたが、実はツボミではなくこれが開花の状態のようで「袋咲き」と説明書きがありました。花が膨らんできてこの先どうなるかと暫く観察していましたが、確かに今のところ開く様子はありません。こうして花瓶に生けるとどうですか、なかなか味わい深いものです。
写真右の淡いピンクのツボミはやや老化した花です。花は紫から老化するに従い白茶けて最終的にはクシャクシャのパー・・・ではなくクシャクシャのグーになって終わってしまります。そのまましぼむ感じです。しかしまた、この色が抜けたところはカッコいいのです。
左側にうなだれて咲いているのは八重品種です。しかし、ラベルを見たら「三重(みえ)」とありました。つまり三重(さんじゅう;花弁が三段)になっているいるのです。適当に八重とか半八重とか言ってしまう大雑把さが出てしまいましたが、このあたりの繊細さもキキョウの花ならではかもしれません。
真夏の趣キキョウをご紹介しました。
それではみなさま、ごきげんよう。