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ワサビと切花鮮度保持の関係?

2023.05.17

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

 

5月15日の日経電子版に「辛み成分で葉しおれ防ぐ 野菜、花の鮮度保持に期待」という記事が掲載されました。

本文にある通りですが「ワサビや大根に含まれる辛み成分が植物の葉にある気孔の開口を抑えてしおれるのを防ぐことを発見したと、名古屋大と関西学院大のチームが15日付の英科学誌に発表した。「葉野菜や切り花の鮮度保持への活用が期待できる」としている」のだそうです。

 

ワサビは、JFMA会長で法政大学名誉教授の小川先生が以前より注目されて、生産を増やそうと富山県に大規模な栽培施設を作ろうとされていました。また小川先生は、食用となるワサビの根の部分だけでなく、観賞用としてその葉にも活用方法はないかと注目されていました。

某大手生花店さんなどにお願いして、アレンジメントに使ってもらったりしたところ、フローリストさんにもウケがよく、しかも、日持ちも良かったとのことです。

 

実際に使った人からのレスポンスを聞いて、小川先生は「ワサビの葉でアレンジメントを作ると、ワサビの抗菌力で日持ちが長くなるのではないか」という仮説を持っていたそうです。その仮説を裏付けるような研究結果ですね。

 

そのニュースをよく読んでみますと、「ワサビなどアブラナ目植物にある「ベンジルイソチオシアネート(BITC)」が気孔を閉じさせる効果が高いことが分かった。キクの葉に塗布すると、しおれを遅らせることができた。」とありますので、ベンジルイソチオシアネートを多く含む植物であれば、ワサビでなくてもその効果を期待できるかもしれません。ただ「葉に塗布」と書いてあるので、水に一緒に生けただけでは効果のほどはどうなのか、現在の発表からだけでは、想像するしかありません。

 

そういえば、以前シソが花束に含まれると、気持ち日持ちが良くなるかもと感じた方がいらしゃいました。その方から依頼を受けて、どう影響するのかを観察していた専門家もいらっしゃり、お話しを伺ってみたところ、その時はあまりシソによる日持ちへの影響は見られなかったようです。う~ん、シソ科はもしかすると難しいのかもしれません。

 

いずれにしても、ワサビに商機ありでしょうか。植物に関する新しい科学の立証は、明るい未来への扉を開いてくれているようで、嬉しくなるものですね。

vegetable_wasabi

それではみなさま、ごきげんよう。

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