花研コーヒーブレイク
ピンピネラ
2013.05.23
みなさん、ピンピネラってご存知ですか?
欧州原産のセリ科の植物で、花の色はピンクや白があります。(切花の流通ではピンクが多い)
見た目は一見レースフラワーに似ています。
最近聞かないなと思っていたら、昨年度の1年は大田花きには流通がありませんでした。2011年7月が最後の出荷となっています。
うーん、なぜでしょう。考えられる理由は・・・
1. 生産者さんがピンピネラの生産をやめた
2. たまたま昨年は何らかの都合で出荷できなかった
3. 別の名前で出荷されている
ある人に聞いてみたところ、どうやら3ではないようです。
2ですが、今のところはまだ可能性としては捨てきれません。通常、流通期は6-8月のようなので、今年はひょっとしたら流通があるかもしれません。
問題は、理由が上記1だった場合のそのまた理由が何かということです。
作る人がいなくなった→なぜいなくなったのか。
・栽培効率が悪い
・農業人口の高齢化に伴う影響
・需要がなくなった→なぜなくなったのか
・花持ちが悪い?草花としては普通のレベルだったかと
・取引単価が低い
・取って替わる代品の何かが台頭し、ピンピネラは必要とされなくなった
・その他 諸々
晩年・・・というのも変ですが、2010年2011年ころは若干単価が低くなっていますから、取引単価の理由は一つあるかもしれません。
それにしても、以前当たり前のように出荷されていた品目が市場から消えるとは、なんだか物悲しいですね。
これも時代とともに変遷していく消費者の需要に対応した結果なのでしょうか。
一方で、本日開催の秋元康氏などが表彰されたJASRAC(日本音楽著作権協会)賞授賞式で、受賞者の一人が持っていた花束にはレースフラワーのダウカスボルドー(えんじ色のレースフラワー)が使われていました。
なんて考えると、ピンピネラはまだ余力を残したまま供給が消えたのではないかと思えてなりません。
単価も高い安い一辺倒ではなく、全体のビジネスとして採算が合わなければなりませんから、取引単価だけの問題ではないのでしょう。
将来需要動向が変わり、またいつか市場でピンピネラにお会いできるといいなと思います。