花研コーヒーブレイク
人気の花園?ファレノ展示@大田市場
2023.03.07
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
切花のファレノ(コチョウラン)が成長株です。すごくいいですね。用途は葬儀や結婚式、宴会などの装飾を含む業務需要ばかりでなく、ギフトなどのパーソナルユースなど多岐にわたっていて、注目しています。ちょうど今、大田市場花き部2階のショーケースに千葉県洋らん生産組合加藤洋ラン園さまのファレノが展示されています。
ほーんとにどれも素敵で、しばし時間を忘れてショーケースの前に佇んでしまいましたよ。フローリストさんでしたら絶対に使いたくなるであろう素晴らしい数々の品種です。
昨日の小欄で、ファッション業界ではヌーディーカラーや極めて肌の色に近いオレンジカラーが人気のようだとお伝えしましたが、切花もくすみオレンジからサーモンオレンジ~ピンク当たりのニュアンスカラーが人気のように思います。ファレノでしたら以下の品種あたりが該当するのではないでしょうか。
同じくファレノでマザーチークというのがありますが、マザーチークもヌーディーカラーのストライクゾーンといえるでしょう。
さて、このようなファレノの展示を拝見して、きっと人気が出ているであろうと、取扱いデータを見てみました。以下のグラフは東京都中央卸売市場での切花ファレノ取り扱い推移を示しています。
【東京都中央卸売市場5市場における切花ファレノ取り扱い「数量」】2019-2022年月別
コロナ元年の2020年には数量の減少傾向が見て取れますが、2022年の出荷量は6月以降ほぼコロナ前の2019年を上回る数量が出荷されていることがわかります。うち、年間を通じて7割くらいが輸入です。(主に台湾から)
【東京都中央卸売市場5市場における切花ファレノ取り扱い「金額」】2019-2022年月別
黄色が最新の22年を示していますが、すごく目立ちますね。過去3年を上回っている月が多くあることが分かります。数量以上に金額の伸びが顕著です。
上記の取引数量と金額を元に取引単価をまとめてみました。赤い色が濃い方が高いことを示しています。2022年は1年を通じて全体的に赤いことが分かります。年平均にしますと、2019年を100としたときに22年は140%と大変引き合いが強くなっている様子が窺えます。
【東京都中央卸売市場5市場における切花ファレノ取り扱い「単価」】
(単位:円)
葬儀や婚礼はコロナ禍において著しく減少しましたが、ファレノにおいてはその間も比較的需要を維持していた品目と言えるのではないでしょうか。引き続きファレノの需要動向を注視していきたいと思います。
しかしながら、同じファレノに分類されていても輸入と国産とでは出荷品種が異なり棲み分けされているので、出荷量や金額の伸びや引き合いの強い月もそれぞれに異なってきます。更なる詳細データをご希望の場合は、花研までお問い合わせいただけますと幸いです。
それではみなさま、ごきげんよう。