花研コーヒーブレイク
スイートピーの日に向けた展示始まる
2023.01.16
こんにちは。雨の日の花研ひろばです。
日本の年末年始はいつも穏やかな天候の下で迎えられていますね。風がなく太陽も燦燦としていて、この時期曇天が多いヨーロッパの人からしたら羨ましいと感じるレベルだろうと想像します。大学の箱根駅伝も実業団のニューイヤー駅伝も、その中継はいつも晴天のイメージがあります。正月の翌週末に行われた山手線渋谷駅の線路切り替え工事も、交通への影響に加え、過去の晴天率も考慮されて日程が決まったとニュースで知りました。
ところが、だいたいその次の週末となると、決まって天気が崩れます。大学や高校入試と重なる週末です。今年も雨が降りましたし、雨ならまだいい方で、雪が降ることもしばしば。大寒は1月20日ですが(2月3日まで)、天気が崩れるともうすぐ大寒を迎えるんだなと実感します。1年で最も寒い時期が到来します。加えて今年はコロナやらインフルやらの同時流行などいろいろと懸念されること多いので、皆様体調管理にご留意くださいませ。そういうあたくしも。
さて、1月21日はスイートピーの日。色とりどりのスイートピーは、大寒のこの時期に明るさをもたらしてくれますね。ちょうど今日から大田市場花き部の中央通路で、日本スイートピーの会に参加している生産者さんの展示が行われていますが、日本スイートピーの会による市場展示は、日本全国津々浦々の市場で同時多発で行われています。
また、セリ前には大田花き、及びお隣のフラワーオークションジャパン様においても日本スイートピーの会会長と副会長により日本スイートピーの会とこの度の展示紹介、ご挨拶が行われました。全国のほかの市場においては、会長のビデオメッセージが流されました。
さて、スイートピーの展示の様子を見て見ますと、大田市場では「染め」というカテゴリーを加えています。
スイートピーは古くから染めの技術を使用していた数少ない品目の一つです。昭和30年代には需要に合わせて既に黄色に染めて、流通していたようです。スイートピーには黄色の遺伝子がないとされ(今はまた異なる研究結果が発表されているようですが)、新春の明るい色が必要な時に、スイートピーではナチュラルの黄色が存在しないことから、当初は食用の染料を使って染められたと聞きます。黄色やオレンジくらいのスイートピーは、染めと言われないとわからないくらい、自然に仕上がっていることに驚かされます。
その上、「冬に青は寒くない」という、寒い冬に青はタブーという従前の常識を覆す素晴らしい提案がなされています。冬にも青は必要なんです。今は。暗い印象に思われがちなグレー系も然り。
当社もトレンド調査の一環として運営に携わらせていただいている大田花きの「フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA」においても、2021年に染めたスイートピー「アッシュブルー」が新商品奨励賞に選ばれました。灰色がかったブルー系の品種です。「その色でなくてはならない」というくらいの必然性と存在感があります。クールで独特な雰囲気を醸し出していて、受賞に値する素晴らしい品種かと存じます。ここまでくれば染めであるかどうかはもはや問題ではなく、その必然性があるかどうかが重要な逸品。染色の感性が突出して、それを再現する技術も進化しているな~と感心してみております。世界と日本のトレンドはSNS等で一瞬にして共有できる時代になりました。ぜひ日本のクールなスイートピーやスイートピーの日についても世界と共有したいところですね。
ところで、大田市場の展示会場ではアンケート調査も行っております。大田市場にご来場のついでがございましたら、ぜひ2階にもお立ち寄りいただき、感性の一票を投じていただきたく存じます。また同時に、どの品種に票が多数入っているかをぜひ見ていただきたいと思います。きっと票が集まっている納得の人気品種を見て取ることができると思います。生産者さんにおかれましては、「スイートピーの人気品種を見て、わが品目の動向を思う、また楽しからずや。」そんな心持ちを楽しむことができるかもしれません。
販売と品種の進化については、益々の発展を祈念したいところです。
それではみなさま、ごきげんよう。
フラワービジネスノート2023はこちら。染めのスイートピーがフラワーオブザイヤーOTAを受賞した2021年の結果が掲載されています。