花研コーヒーブレイク
輸入品は増えているのか パートⅡ
2023.01.11
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
年末の小欄で「輸入切花は増えているのか」をテーマにちょっとしたグラフを示しながら、増えていない旨をご紹介いたしました。近年においては毎年-2%くらいと。これは弊社の講演事業の営業のつもりでサワリをじゃっと、じゃじゃっと、ざっくりと内容展開でした。いつもざっくりですが。
すると、そのざっくりさ加減を日本最大の花き専門輸入商社クラシックの西尾会長にコンマ何秒で見抜かれまして、
「あー、これはサカキが含まれていますね」
とご指摘をいただきました。
つまり、サカキが多いために輸入数量は-2%くらいに見えるかもしれないが、サカキを除けばさらに加速度的に輸入品は減っているんだよということを温かくご指導いただいたわけです。西尾会長ありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。(この場を借りなくてもご本人に御礼の旨をお伝えしておりますが、念のため)
そこで、ざっくりコラムにもたまには手を加えて、パートⅡを発信しようと思いまして、サカキの輸入数量を除いて算出し直しましたので、ご覧ください。
☆過去10年の輸入切花数量推移です↓
データ元:貿易統計、サカキ・ヒサカキ、廃棄数量を除く
この10年で(コロナの影響も大きかったと思いますが)約140万本減少。2012年対比で2021年は10.7%減少しています。
☆過去10年の国産切花出荷統計です↓
データ元:農林水産省
8.2億本減少。
2021年は2012年対比で20.2%減少しています。この10年で輸入の減少に対し、ほぼ2倍のペースで減少しています。
輸入と国産を足し上げますと、こんな感じになります。
2021年はトータルで2012年より9.6億本(18%)減少したことになります。
輸入も減少していますが、それ以上に国産切花も減少していて、単純にいけば過去10年で切花マーケットは約2割ほどシュリンクしていることになります。しかしながら、弊社が発行しているフラワービジネスノート2023のデータ17をご覧いただきますとわかる通り、近年は品薄傾向を読み取ることができます。つまり、出荷数量は減少していますが、そのままニーズが減少したわけではありません。川下からの出荷要求は高まっていて、切花のご出荷チャンスが隠れているのです。
詳細はフラワービジネスノート2023のデータ17,および20をご覧いただけますと幸いです。
それではみなさま、ごきげんよう。