花研コーヒーブレイク
花きの小売価格は上昇したのかって話 ~もしかしてパートⅡ~
2022.07.15
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
昨日に引き続き、花きの小売価格について「もしかしてパートⅡ」。
小売物価等について盛んに報道されていますが、花き商品はどのような傾向があるのかを調べる方法があります。
総務省に小売物価統計調査という毎月の調査資料があります。(←これ昨日と一緒ね)
様々な商品の小売価格を毎月調べた資料です。地域の違いも考慮し、各県庁所在地などで品目ごとに調査されています。花きについては切花がバラ、カーネーション、輪菊が対象です。鉢物はポトスの5寸です。
そこで、東京都区部におけるバラ切花について、過去数年の単価データと今年の単価データをグラフにし比較してみました。
黄色が2022年です。朝令暮改ですみませんがグラフを見る限りでは、価格は過去数年よりも高いようです。バラの需要は小売りだけではありませんので、たとえば卸売の平均価格と比較してもあまり整合性はないと思います。バラの卸売価格は婚礼などの需要が高まるシーズンにも上昇する傾向にありますので。
なんら分析らしい分析でもありませんが、小売りにおける花きの単価上昇傾向が続き、定着するのかどうか、いまの時点ではなんともいえません。品薄高で上がっているのもあるでしょうが、わからないのは価格が上がっても売れているのか、あるいは上がって売れなくなっているのか。そこまではこのデータだけでは読みきれません。
以前JFMAが行った調査では、花きは価格弾力性が比較的小さいということが明らかにされていました。つまり値上げすると消費量が減少しやすい性質があるとされていたわけです。それは仏事用の花き需要が多くあるからでした。バラ切花については仏事用とは言えないとすれば、今回のように価格が上がった場合、価格弾力性が小さいというのは一概に当てはまるとは言い切れないでしょう。では、どのような性質があるのか、価格が上がっても需要が減少しないとすると、花きの需要はまだまだ拡大する可能性があるのではないでしょうか。
今日はこのあたりにしておこうと思いますが、キクも単価は上がっているようです。しかしカーネーションはあまり変化がない。花きであれば全てが価格上昇一辺倒ということでもないようです。また別の機会に。
それではみなさま、ごきげんよう。