OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

シャンペトルは切りか鉢か真ん中か

2022.04.28

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

様々なところで発表させていただいておりますが、花きには流行があり、その流行は電波が示す波のように一定の幅を時間経過とともにいったりきたりします。花研HPでもこの認識を共有すべく公開させていただいております。よろしければご覧ください。→花きのトレンド

 

さて、現在の流行はナチュラル感というのがベースにあります。植物だから全てナチュラルには違いありませんから、より自然な感じに見えるのが最新トレンドとご理解ください。草原に生えているような草花を無造作に束ね、まるでその草原を再現したかのような自然な雰囲気を持つ花束を「シャンペトルブーケ」といいます。フランスのフラワーデザイン業界では昔からある定番スタイルの一つです。シャンペトルとはフランス語で「田舎風の」という意味だそうです。フランスの田舎にある草原をイメージして作られた花束だからそのようなネーミングなのだと思います。

 

使い方としては「シャンペトルな○○」、もしくは「シャンペトル風の○○」と表現されているのをよく見かけます。ちなみにシャンペトルブーケのデザインにルールはないく、全く一様ではありません。デザイナーさんによって異なります。とはいえ傾向があり、例えば小花を多用したり、グラミネと呼ばれるイネ科の一年草やグリーンを多めにあしらったりすることが多いようです。自然の風景を彷彿とさせるデザイン制作に、これらのアイテムが重宝されるのですね。

 

シャンペトルの発端は2013年にあったように思います。トレンドセッターのトップフローリストがそのような花束を提案していましたが、雑誌『花時間』でも春号でカール・フーシュ氏を起用してシャンペトル特集をしています。制作指南するDVDが雑誌の付録にありました。ここにきてコロナ禍もあり、裾野広くずいぶんとシャンペトルも定着したように思いますが、こうした自然に向かうトレンドというのは一点にとどまりません。氷河のように、実は全体で少しづつ動いていますので時々チェックが必要です。

例えば鉢物や苗物を扱う園芸分野。経験上、これまでこの分野ではシャンペトルというキーワードに出合ったことはありません。しかし、流行は切花同様に園芸分野でもかなり前から始まっていて、何か表現する言葉が定まっていないのではないかと勝手ながら思っていたところです。鉢物商品、或いは外構、マンションや商業施設の植栽にも使っていいように思いましたが、いかがでしょうか。本場フランスでは使われていないのかもしれません。

 

また、寄せ植えの意味で「ブリコラージュ」という言葉を使っている方がいらっしゃいました。ブリコラージュとは、「寄せて集める」という意味のフランス語で、WEBなどでこの言葉を使ている方の作品などを拝見すると、自然な感じを醸し出す植物を多用して寄せ植えを作っているようです。ブリコラージュは自然風な寄せ植えですよ。ブランディングし、商標を取得して活動をされているようです。

このようなところにもナチュラルトレンドが波及しているように思います。そしてこのトレンドはもう数年続くように思います。切花・園芸植物ともにナチュラル感をベースにした動きが続きますね。皆様も時々流行の推移をチェックしてみてくださいませ。

 

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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