花研コーヒーブレイク
北京冬季五輪のビクトリーブーケは永久不滅の毛糸製
2022.01.20
こんにちは。大寒、甘酒の日の2022年1月20日の花研コーヒーブレイクは泥油育子がお届けいたします。
少し前ですが、北京オリパラのメダリストに渡されるビクトリーブーケが発表されました。永久不滅のビクトリーブーケ、毛糸でできた花の束だそうです。毛糸はカシミヤ糸を使い、上海市の無形文化遺産である「海派毛糸編み技術」が用いられ、赤バラ、庚申(コウシン)バラ、スズラン、アジサイ、ローリエ、オリーブが編まれて花束になっているそう。さらにパラリンピックのビクトリーブーケには不屈の精神を象徴するという青いハルシャギクが加えられているのだそうです。
赤バラは中国らしくて納得です。2008年の北京五輪のビクトリーブーケにも赤バラが使われていましたね。
庚申バラの「庚申」とは、干支 の庚申(かのえ・さる)の日を意味。この日はほぼ2ケ月に1回にくるそうで、花が庚申ごとに(つまり、いつも)咲き続ける四季咲き性であることから庚申バラというそうです。ちなみに、庚申バラの学名はロサ・キネンシスで「中国のバラ」の意味。中国原産のバラです。この四季咲きのバラと、季節にしか咲かないけど華やかなヨーロッパ原産とのバラが出合い、今の多種多様な切花バラマーケットが生まれたというわけです。いま、生花店に1年中バラが並ぶのも、中国の庚申バラが存在していたことが大きな理由の一つと言えるのではないでしょうか。
北京オリパラブーケの詳細はこちら↓
ビクトリーブーケのサイズは長さは34センチ、幅回り24センチ。一つ作るのに35時間とありますから(どこを制作の起点としているのかは別として、ここは文面通りに計算します)北京の時給を仮に375円とすると一つあたり人件費13,000円+原材料費+管理費諸々をかけているということですね。少なくとも。それにこれができる技術者を集めているでしょうから、人件費はもう少し高いかもしれません。
日本でいけば技術料を除き、東京なら最低賃金は時給1,041円ですから一つ最低36,435円。全部で1,000束以上とありますから、36,435,000円・・・ビクトリーブーケだけにとなりますと、なかなか想像しにくい値段ですね。歴史文化的な背景、技術、コストを含め中国だからこそのビクトリーブーケと言えるのはないでしょうか。しかも自国にも持ち帰れますし、永久不滅。よく考えましたね。表彰台でブーケを受け取るメダリストの姿が楽しみですね。
さて、今日から大寒。1年で一番寒い時期に入ります。二十四節気の最後の節気です。
ちなみに、二十四節気をさらに3分割した七十二候があります。
1月20日ころ款冬華(ふきのはな咲く):雪の下からフキノトウが顔を出す
1月25日ころ水沢腹堅(さわみずこおりつめる):沢に厚い氷が張りつめる
1月30日ころ鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく):鳥が鳥屋に入って卵を産み始める
そして2月4日に二十四節気のうち最初の節気である立春を迎えます。
七十二候としては、
2月4日ころ東風解凍(はるかぜこおりをとく):東風が氷を解かし始める
2月9日ころ黄鶯睍睆(うぐいすなく):里山でウグイスが鳴き始める
2月14日ころ魚上氷(うおこおりをいずる):割れた氷の間から魚が飛び跳ねる
詳細はフラワービジネスノート2022に掲載されています。
・・・春到来はもうすぐと思いたい。寒さが苦手な泥油としてはラニーニャ現象の影響が大きかったとしても、早くこの寒い冬を終わりにしたい、と思うのでした。室内には少しですが彩のある鮮やかな花を飾ることで、春到来までの間この厳しい冬を乗り越えたいと思います。
それでは皆様ごきげんよう。