花研コーヒーブレイク
木製シューキーパーはシダかシダーか
2021.12.08
こんにちは。泥油育子です。
昨日、キッチンに立ちながらボケーッとテレビに耳だけ傾けていましたら、トーク番組である人気タレントさんが、
「大切なシューズはお店でもらった紙に入れて保管するのはよくないんですよ。私は木製シューキーパ―を使っています」
なるほど。ふむふむ、さすがおしゃれな人は違う。
問題はその続き。
「木製のシューキーパ―はシダでできているんです。観葉植物のシダ。」
と。テロップもばっちり「シダ 観葉植物」と出ている。泥油の皿洗いの手が止まる。
「木製だからシューズの湿気を吸収して、とてもいいんです」
的なことをおっしゃっている。
“木製のシューキーパーはシューズの湿気を吸収するからいいですよ”まではわかります。
しかーし、シューキーパーの素材として観葉植物のシダを使うなんてことあるかいな。
シダですよ。観葉植物のシダといえばシダ植物(まあだいたい)。日陰で湿度の高い場所を好むシダ。
それをシューズ内の湿気を取るのに使うかいなって。百歩か千歩か引いて、保湿に使うならわかるけど。
いや、やっぱりわからん。
シダは草本性が多いと思いますが、木質化したものもあります。だからって木製のシューキーパ―なんて作ります?とぐるぐるモヤモヤしてきて、キッチンからテレビの前に引きずり出される泥油。
まさか木質化したシダでシューキーパ―作る??
え。そんなことって?大量に必要になるでしょうし、そうなりますとシダの成長度合いと生産効率から鑑みるになかなか非現実的なような。
と思って、調べてみると、やっぱりちゃうやん。
シダじゃなくて、シダーですよ。シダー。
「Cedar」=「スギ」ですやん。
それならわかりますよ。
針葉樹で香りもあるでしょうし(製品として完成しているともう香りもないかもしれませんが)、湿度を吸収するのに使われるというのも理解できます。
スギでもいろいろな品種が使われているようですが、まあスギ類ってことですよ。あるいは広義で針葉樹みたいな感じかな。それなら工業製品の原材料として使われるのも納得です。
きっとそのタレントさんがショップで店員さんに「これはシダーでできているんですよ」などと聞いて、
「シダってお店で売っている観葉植物のあのシダ?」
「そうそう!」
みたいなやり取りがあって、このような認識になったのでしょうかね。(想像)
スギ類が観葉植物として流通していないわけではないと思いますので、その時はシダーと呼んでくださいませませ。特に今のシーズンなどはクリスマス用にシダーがたくさん流通しますね。しかしそれらの多くは切り枝やツマミなどで、観葉植物とは一般的には呼ばないかな。
はい、ではここで一応、大田花き花の生活研究所としての結論。
木製シューキーパーに使われる素材は、シダではなくシダー(Cedar=スギ)です。
ほな、ごきげんよう。