花研コーヒーブレイク
竹・笹の水揚げ
2012.07.12
七夕が終わって、1年ぶりにお会いした彦星様を無事お見送りしたところだが、七夕用の竹・笹の水揚げに頭を痛める小売店さんは多いのではないかと思う。
JR大崎駅の構内の高さ5-6メートルはありそうな七夕の飾りは例年のごとく見事だった。高いところに葉があるので葉の萎れは気にならないかもしれないが、やはり瑞々しさを失い白っぽくなった全体の雰囲気は何とか改善できないものかと、業界の一員として問題意識を感じる。
目の高さで飾る竹笹は更に萎れが目立つだろう。
この水持ちの悪さ・・・というか水持ちのなさが、需要拡大のボトルネックになっているのではないかと思う。
私どもも数年に亘りだいぶ試行錯誤してきたが、これという解決の糸口が見つからない。プリザーブド加工を施したようなものを紹介していただいたこともあったが、小売店さんにとってはまだまだコストが合わない。
手間はかかるが一つが解決法を教えていただいたことがある。
某有名な枝物の生産者さんを訪れた際、青々とした葉を保ちながら玄関に見事に飾ってある竹を拝見した。2月に訪問したが、年末からずっと飾ってあるという。
コツは、全ての節の中に水を入れること。
↓節目から1-2cm下のところに小さな穴が空いているのが分かるだろうか。
このように全ての節に穴を空け、そこから水を注入し、蒸散しないようセロファンテープで留めておく。
水がなくなるころ、また水を補充する。こうしておくと、葉はいつまでも・・・たとえ幹が黄色くなってさえも、葉は青々としているのだと老舗枝物生産者さんが教えてくださった。裏面に穴を開ければ目立たない。この生産者さんの竹を拝見したときも、言われるまで穴が空いていることに気付かなかったほど。
ホテルや駅、デパートなどのディスプレイなどにご利用の場合は、是非この方法をお試しいただきたいと思う。
とはいえさすがに、家庭用に使っていただくような店売りの笹や枝の細い物には、ここまでの手はかけられない。
竹、笹類の水揚げについて裏技をご存知の方、あるいは秘密兵器を持っているという鮮度保持メーカーの皆さま、誰にも言いませんから(多分言うけど)ナイショで教えていただけると幸いです。