OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

RESASというデータベースについて(途中から違う話に脱線するのだがそれはいつもことでしょう)

2021.05.03

こんにちは。ボンソワール桐生です。

 

地方創生のツールとして、内閣府がウェブブラウザで動くデータベースを提供しています。RESAS(リーサス)といってとても便利です。人口、産業構造、人の流れなどを地域別にあるいは地域間比較ができます。行政の政策検討から学校での地域研究の授業などにも役立っているようです。時々使っていたのですが、すっかり忘れていました。久しぶりに開いたらパワーアップしていました。それがこれ、Vリーサス。

 

コロナウイルスの影響を可視化することをテーマに、消費、飲食、旅行、イベントなどの動態を調べることができるデータベース。もちろんグラフ化されたアウトプットとデータのみのアウトプットの両面。従来のリーサスのページはデータベースがちょっと前なんですね。広範囲ではあるのですがタイムリーかと言えばそうでもない。じっくりと地域政策を分析するような使い方が想定されているからです。
一方、新しいVがついたリーサスは、VitalのV。ヴァイタル・サイン・オブ・エコノミー、経済の兆候というのでしょうか。リアルな今の経済の数値を瞬時に入手できるようなサイトです。よってデータはつい先週のものなどを見ることができます。こんなに素早いデータ提供ができるのは、カード会社とそれからナウキャストのようなオルタナティブデータ提供会社の協力があるから。オルタナティブデータとは政府統計データの代替という意味で、政府統計が1-2か月かかるところを、民間のデータを使って速やかに提供することを特徴とし、また民間データであっても経済動向を分析するに足る母数を持っているところが特徴です。
まだ続きがあります。
で、Vリーサスの消費という項目でPOSデータについて調べることができます。案外細かい統計データが発表されているのです。コーヒーならドリップコーヒーとインスタントコーヒーの消費データが地域別にとることができる・・・などです。Ohhhh!これはひょっとすると花もあるのかなと思うじゃないですか!!

 

 

・・・それが無いのです((+_+))チーン

確かにコーヒーほどの経済規模ではありませんが、まあまあ産業規模として維持しているんだけどなぁ・・・。まてよ、データベースの設計者が注目していないだけで、こちらから重要性を訴えればいいのかいな、と思いメールを出してみました。

「コロナ禍で花き消費が拡大し、一層生活に必定なものと注目を集めておりますが、貴データベースでは集計対象となっておらず遺憾です・・・」ウンヌンカンヌンなど。するとほどなく返事をいただくことができました。

集計したいのはやまやまですが、花きのみならず農産物水産物などは集計したくてもPOSの元データコードが統一されておらず、集計しようがないですよと。お返事のメールには詳しくは書いてありませんが、概ねそういう内容でした。

恐らくは、ここからはご返信の文面からの想像ですが、量販店スーパーで販売されている商品のバーコードが店舗ごとにバラバラで、全国統一コードのようなものが無い、ということではないかと。確かに、スーパーなどで花束についているバーコードは、単に花束だったり、花束Aだったり仏花束Cだったりします。小売店舗ではこうしたバーコードは、集計し分析する為というよりもレジを通過させてキャッシュを管理するだけがメインの目的となっているように思われます。農産物の素材品種規格産地が一定でないというところにデータ化しにくさがあります。花が難しいのはなんとなくわかりますが、野菜等もそうなんですね。VリーサスのPOS分析メニューで分析できるのは野菜果物では缶詰類でしたよ。
さてさて、こんなことをしていましたら、毎月寄稿しております月刊『地上』6月号(家の光協会発行)が届きました(弊社HPトップのNews&Topicsをご参照ください)。当社の主任研究員内藤の連載があるのです。他の連載をみると、なんと上記のような話とまったく同じことを話題とした連載コラムがありました。野菜などがコンビニで販売されているのですが、本部管理ではなく加盟店ごとの個別管理である理由が書いてありました。それは上記のとおり商品のデータ化がされていないからということです。

 

まま、ここまでくると農産物のマーケティングはなんて難しいのかと思われるかもしれませんが、逆にゆえに取引先とのコミュニケーションが重要です。データベースがそうそうありませんので、売れ筋情報、購入者世代、売れる時間などなどは、個別に収集せねばなりません。丁寧に集め分析と仮説と検証などを実行すれば、世にコピーのない、価値あるマーケティング情報となります。自分で収集するというところに面白さがあるように思います。

 

JFMA(日本フローラルマーケティング協会)が毎年開催しているビジネス講座に(名物的な)授業があります。僭越ながら弊社内藤による業界AtoZ、それから会長の小川先生が行うフィールド調査。他の講座を受講したことがないだけですが。弊社の講義はさておき、小川先生のフィールドはかなり面白いです。花屋さんの店頭で通行人、商品を手にとった人、売れた件数、プライスラインなどを受講生で実際に売り場調査するものです。マーケティングの学校を出ていない人・基礎を勉強していない人は業界には多いと思しいますが(かくいう私も然り)、こういう方法で実際に商売をカウントすると様々なことが腑に落ちますし、後日何かを検証するときにすごーく役立ちます。

 

そんなことで、農産物は自らマーケティング情報を集めよう、という話でした。

ではまた。

 

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