花研コーヒーブレイク
花き小売りにおけるサードウェーブ到来!?
2021.04.16
こんにちは。泥油育子です。
花き小売りにおけるサードウェーブが到来しているように思います。
例えば、経済産業省のデータによると切花小売りのメインチャネルは専門店(お花屋さん)でした。7割くらいを占めていました。
そこにスーパーや量販店の売り場が活性化してきて、2019年のデータでは専門店とほぼ二分するくらいになりました。このスーパーや量販店などの売り場をセカンドウェーブとすると、いまそれ以外の小売りに参入するサードウェーブが勢いを増しています。
例えばユニクロ。つい先日、ユニクロで最初に生花販売を初めた横浜ベイサイド店に見に行ってきました。
このベイサイド店からスタートし、現在では都内でも原宿、銀座、新宿、上野などの交通の要所にある店舗で切花販売を拡大したようです。
ユニクロばかりではなく、中古本を取り扱うBOOK OFFでは市場に出荷するには規格外と判断された花を1本100円で販売する売り場が出現。
石鹸などのアメニティグッズを取り扱うロンドン発のLUSH新宿店でも(随分前からではありますが)、無農薬生産を行う花き生産者さんと業務提携しコンセプトに合う切花を販売。新宿の若い世代のニーズをキャッチしているようです。ほかにもさまざまな例がありますが、また折を見てご紹介したいと思います。
このような衣料品取扱いのユニクロに象徴されるような、これまで花きを取り扱わなかった企業の花き販売参入をサードウェーブと呼んでいます。
私どものアンケート調査で、これまでに花を一度も買ったことがない人になぜ花を買わないか理由を聞いたところ、「興味がない」「機会がない」「買う理由(発想)がない」の3ナイ理由で約6割を占めました。これらの誰もが知る日常生活のお店で花を販売するようなサードウェーブが活性化することで、3ナイ比率というのは減少していくように思います。花を買う発想や選択肢が出てくるでしょうし、買おうと思えば売り場はある、いつも目にしていれば興味も湧くようになるかもしれません。
そういえば、コーヒーも喫茶店で飲むものでしたが、スターバックスコーヒーに象徴されるようなシアトル系コーヒー店が上陸してこれがセカンドウェーブとなり、自家焙煎のサードウェーブ、コンビニで相当おいしいコーヒーを100円くらいで飲めるフォースウェーブが到来して、より多くの人に日常の飲み物として広がっていったと思います。
法人需要はしばらくは伸びるがの難しいことを考えれば、たとえ取引金額が全体でシュリンクしたとしても全体の取引本数を伸ばして花を楽しむ文化の醸成、地盤を整えていくということがとても重要になってくるのではないでしょうか。生花においてもサードウェーブ、フォースウェーブが到来し、ますます生活者にとって気軽に楽しめる文化として広まっていくといいなと思う今日このごろでございました。
続きはまた機会がございましたら。
ところで、小欄でもチョイチョイ農研機構の研究結果をご紹介していますが、花きに関する研究結果を農研機構の広報誌「NARO」No.19で詳しく紹介されています。
↓クリック!
特集1「花の魅力を高める研究」市場や消費者が求める日持ちや香りといった花の魅力を高めるには?
特集2「花きの新しい技術」 安定生産や病害抵抗性品種の育成についてなど。
PDFでもご覧になれますし、大田市場にお越しのついでがある方は弊社の窓口に少し冊子を置いていますので、お声がけいただければと思います。(弊社から発送は致しかねます。冊子送付希望の方は農研機構に直接お問い合わせくださいませ)
尚、窓口では「フラワービジネスノート2021」も販売しています。
それではみなさま、ごきげんよう。
お体に気を付けて、良い週末をお過ごしくださいませ。