花研コーヒーブレイク
5月1日 スズランの日
2012.05.01
5月1日、昔はメーデーと言われたが、現在は黄金週間の真っ最中でこの日が強調されることもなくなった。花き業界ではこの日をスズランの日として消費を促している。
スズランの日はそもそもフランス発祥の文化で、5月1日にお世話になっている人や家族、愛する人にスズランを贈る。贈られた人は幸せになると言われている。
日本でも花き業界内では徐々に認知度が高まってきているが、フランスではどのくらい定着しているものかと思い、フランス在住の人(1人はフランス人、1人は日本人)に聞いてみた。以下そのお二人の話のまとめ。
フランスの人たちにおけるスズランは、日本人にとってサクラのようなもの。季節の象徴としての意味合いが強く、伝統的な文化として昔から男女問わず贈り合う。目的は・・・
①幸運のため
②春と太陽の季節の再来を祝うため
従って、決して愛の象徴ではない。恋人同士とかバレンタインデーのように男性から女性へというよりは、家族とか親しい友人同士で贈り合う。1本単価が安くて誰でも手に入れやすいので、とても気軽に贈り合うことができる。
特別にこの日だけはフランスの人であれば誰でもスズランを販売していいとされていることから、道路脇でスズランを販売する人をたくさん見かける。
森からスズランを採ってきて、屋台で「1日スズラン屋さん」をする人も出てくるくらい。スーパーなどのレジ前ではスズランが置かれていて、商品かと思いきや、お客様にフリーで差し上げていることもあるのだとか。
まあ、しかし花業界一般的にどこでもそうであるように、若い人はあまりスズランの日を意識することはなく、主な購入者は40歳代以上。
決して大げさなものではなく、日常の中に気軽に花を贈り合う文化が根ざしているのだろう。
ちなみに、最近のスズランは、昔幼心に見たスズランと確実に形が変わったように思う。
以前より横に膨らみ、コロンとした。これがまた現代人の感性にヒットしている。ハートの形も縦長より、横長のいわゆる“つぶれハート”が乙女心をくすぐる。
誰かがコロンとしたものの方が消費者に受けるからと、固定したのかもしれない。
スズランの香りについてはコチラ。