花研コーヒーブレイク
4月24日 植物学の日
2012.04.24
1862(文久2)年のこの日、植物分類学者の牧野富太郎が高知県の裕福な商人の家に生まれた。
幼いころから植物に興味があった富太郎は植物の採集や写生、観察などの研究を続け、欧米の植物学も学んだ。植物をこよなく愛し、自らを「草木の精」と称していたほど。
牧野が命名した植物は2,500種以上、自らの新品種発見も600種余り、植物図鑑のはしりを創刊するなど、今では植物学の父と呼ばれる。
自分の愛人の名前「お滝さん」をアジサイにotakusaと名付けたシーボルトは、その由来を地名だとその著書に示していたが、実は愛人の名前であったことを突き止めたのは富太郎だったのだとか。本当にとことんな性格なのだろう。富太郎がいなかったら、今の園芸界はまた違ったものになっていただろうし、或いはシーボルトの名誉も守られたかもしれない。
もしくは、今富太郎が生きていたら、欧米から続々と紹介される種々の素晴らしい花に付けられた難解な呼称の代わりに、日本人らしい馴染みのある名前を付けうまく分類してくれていたかもしれない。
高知県には県立牧野植物園があり、およそ1,500種、13,000株の植物が植えられている。近くまで行った際はぜひ足を運んでみるといい。
花好き、或いは花に関係する業務に携わる人なら、牧野富太郎という人物とこの植物学の日を覚えておきたい。