花研コーヒーブレイク
あれ、アメリカも草花ブームなのかな
2020.10.28
こんにちは。ボンソワール桐生です。
つい先日、小欄でグラミネのことをご紹介しましたが、続きまして本日も草花の話。
花き業界で草花類というジャンルがあります。花だから 全て草花だろうと、思われるかもしれませんが、花き業界で草花でくくるカテゴリー認識というのは、業界ならではかもしれませんね。
流通業界にも商品ジャンル分けがあります。一二年宿根草類をまとめて草花と呼ぶ場合があり、大田花き(グループ)でも取引上、また便宜上そのように呼んでいます。
またチューリップやユリは球根類、松やツツジは枝物とグルーピングしています。球根類という分類も科学的かといえばそうではないそうで、園芸学の分類という理解です。このような分類体系では、例えばバラはどうなるとかと言えば、これは植物としては木本ですが、枝物というジャンルではなくバラ類となります。取扱本数が大きいのでバラはバラとなります。
但し、ノイバラやミバラは枝物扱い。このあたりが流通業としてのスタンスによるジャンル分けでして、植物学上の分類でも、園芸分類というわけでもなく、流通実態に基づく分類というところでしょう。
弊社の流行分析では、草花類のトレンドが芽生えるのが2013年から、その後徐々にトレンドの波が大きくなると予想し、実際国内では続々とその事例が現れています。先日ご紹介したグラミネなどはその最たる例ですね。スモークグラスやナズナがこれほどブーケに、さらにはウェディングブーケというフォーマルなシーンでも使われる時代です。
EUでもbloomonというEC生花店の商品を見ると、実に草花が多くの本数利用されております。草花トレンドが世界的に同期していると推察されます。ネット社会になってとりわけ写真を基にした情報などは、世界的に伝達のずれが減ってほぼ同時多発的に伝播しているのではないでしょうか。
では北米ではどうかというのが今回の話です。
世界における花きの三大消費地はEU、北米、アジア(日本を含む)です。当社のトレンド分析がどこまでの範囲で適用される法則なのかなあと常々思っていました。
食の話ですが、北米に出かけた方の話を伺うと、サラダを売るチェーン店が多いと聞きます。日本でもサラダがかなり流行ってますよね。食の分野のトレンドは多分世界的に同期していると思います。また食のトレンドであるビーガンや代替肉は北米から日本や他国に広がってます。北米のトレンドというのはどんな産業でも然りで、ウォッチして参考にすべき重要なことなのだと思います。
そこで、北米のネット生花店のサイトをみると、例えば1-800フラワーズなどはそれほど草花を使っているデザインの花束は販売していません。うーん、食はナチュラル嗜好だけど切り花はそうでもないんかいなあと思っていたら、こちらの記事を見つけました。
北米で花の生産を始めるにはこの10品目からどうだ!という記事。ぜひご覧ください。10品目中9品目が私たちがというところの小花、草花類です。(残り一つがシャクヤクで大輪系ですが)
北米のトレンドを語るにはこれだけでは十分ではありませんが、まずは一つの事例として分析材料にしたいと思います。
9品目の草花とはどういう植物か。日本ではあまり切花としてお見かけしない花もあります。
アゲラタム、スカビオサ、ラークスパー、スナップ、ヒマワリ、ジニア、バーベナ、サルビア、ノコギリソウ、これらのうち、ノコギリソウは国内で切花流通があります。バーベナとサルビアは見ませんねえ。バーベナについてはネットで調べると切花用の種子販売がありますので私が知らないだけでしょう。残るはサルビア。この切花が国内にあるのか、また種苗があるのかはわからないなあ・・・。
今回はとある記事を一つだけ分析材料に使ってみましたが、草花のトレンドがあるような、ないようなというのが今のところの感じです。取り上げられた品目が日本と異なっているところは面白いですね。やはりその地域にあった花が選ばれているのでしょう。地域性(この場合の地域性とは国民性ということとイコールですが)があるようです。様々な業界セミナーでコロナ禍での地域性見直しがキーワードとして言われています。こんなところにもありますね。
推測されることはまだまだありますが、今回の草花ブームは世界の大きな切花マーケットで同期しているのではないかについてを北米を中心に考察してみました。ざっくりな結論では、たぶんそうだろうと結論づけます。(草花ブームの実態がよくわからないのは南米、アフリカ、中東、アジア・・・。)
それではみなさま、ごきげんよう。
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