花研コーヒーブレイク
切花輸出入協会様主催のセミナーが素晴らしかった~!という話 その2
2020.02.11
こんにちは。ボンジュール内藤です。
昨日の小欄の続き。クラシック西尾会長のお話もまた、大変勉強になりました。ほんの20分のショートスピーチでしたが、中身は相当濃く、スライドもスキップせず全て伺いたかったほどでした。統計データから実際の数字を推計する手腕など、さすがだなぁと思いながら拝聴しておりました。
以下、アタクシの勝手な理解としての「西尾会長講演抄」をご紹介させていただきます。
◎貿易統計のトリック
貿易統計ではサカキ込みで454億円と出ているが実際には700億円と試算。
というのも貿易統計はC&F価格で30%控除されている。従って÷0.7をすると650億円。うちサカキは100億円程度と推定。
委託販売の分は輸入商社は事後報告が通例で、正確に反映されていない。そこで別のアプローチ。
切花輸入 1,317百万本×単価52円(東京都中央卸売市場統計データ平均)=685億円≒700億円⇒A
国産 35億本×単価64円(東京都)=2,262億円≒2,300億円⇒B
切花流通規模はA+B=約3,000億円
市場外流通と市場流通を分解すると、
輸入 市場外流通 170億円→輸入全体の24.4%(農水データ)
輸入 市場流通 530億円
合計 700億円
国産 市場外流通 560億円(24.4%)
国産 市場流通 1,740億円
合計2,300億円
なるほど、唸らされます。
国産平均単価64円
輸入平均単価52円 その差19%
数量では今輸入は2割程度だが、今後は国産が減り輸入が増え、平均単価のギャップは小さくなっていく。シェア50:50くらいまでいく試算。
◎輸入と国産の逆転現象が起こるのはいつか
輸入切り花流通量 年成長率 直近10年平均+0.3%
直近5年平均+1.4%
国産出荷本数 年成長率 直近5年 平均-3.0%
直近2年 平均-4.6% →加速度的に減少
国産は急激に減少していても、それを補えるほど輸入は急に増えない、増やせない。しかし国産の減少により輸入比率は必然的に大きくなっていく。
この成長率だと2035年に国産と輸入の流通量が逆転する計算。
西尾会長としては
①無理せず秩序ある輸入をしていく
②マーケットに合った中身で輸入していく
ということでした。
以上、ほんの一部をまとめてみました。
貿易統計を額面通りに捉えないアプローチ、輸入品率の上限についても大変得るものが大きいセミナーでした。花きの輸入比率はどこまで上がる可能性があるのかと日頃から考えていましたが、環境条件からおよその見当を付けるくらいしかできませんでした。しかしこの度のご講演で、論拠ととも回答をご教示いただくことができました。また、ここ20年来国内の生産者様が減少していることも深刻、消費が減少傾向であること深刻、そのような状況における花き輸入商社様のお考えを知ることができ、この度のセミナーでは収穫多く、参加させていただいた甲斐があったというものです。
それではみなさま、ごきげんよう。