花研コーヒーブレイク
コオロギが世界を救う?無印良品がコオロギせんべいを発売!からの花き生産を考える
2019.12.03
こんにちは。ボンジュール内藤です。
無印良品が2020年の春から「コオロギせんべい」なるものを発売するそうです。
徳島大学と産学連携して開発された商品で、コオロギパウダーをせんべいに練り込んで商品化。世界の急激な人口増に対する食糧確保と環境問題の解決のためのアプローチで、昆虫食の研究の第一人者の徳島大学とコオロギを食材とするための取り組みを始めたのだとか。
コオロギはタンパク質やカルシウム、鉄分などを多く含み大変栄養価が高く、また、動物性蛋白質を餌にする家畜に比べて環境負荷が少なく、安定生産が可能なのだそうです。(コオロギはほかの昆虫よりも生長が35日早いのだとか)
一部の店舗とネットで販売開始予定。
さてどのような反響になるでしょうか。
企業としてのSDGsへのアプローチの一つだと思いますが、コオロギですか。
貴重な蛋白源であることはわかります。タイ王国の山奥に行ったときに、昆虫ばかり甘辛煮にしたものが屋台でずらりと並んでいるのを見たことがあります。家畜もなくて、農業をするには山がちで土地を拓けず、海も遠く・・・となれば蛋白源を昆虫に頼るのはもっともなことです。
そういう私も、かなり幼い頃ですが、米麦養蚕の彼の地でイナゴを夢中で採って、太い足を取り除くところまで手伝い、佃煮を作る親の背中を見ていました。そのような経験を考えると、昆虫が低脂肪高蛋白で、とりわけ海が遠い地域では日常食として重宝していたのでしょう(あるいは現在形)。
なぜ今回の研究対象がイナゴではなく、コオロギだったのか。イナゴの方が日本古来の食文化として定着していて、且つ稲を食べる害虫駆除にもつながるので一石二鳥のようにも思いましたが、そこはコオロギの方が生長が早いとか、培養しやすいとか、そういった理由かもしれません。想像するに、その食感はコオロギの方がsoftで、イナゴの方がcrispyな感じだと思います(笑)。
ま、無印良品のコオロギせんべいは粉末にして入れてあるので、食感も何もないとは思いますが。
私の人生における捕獲数でいけば、イナゴの方が圧倒的に多い。(どうでもいいか)
キリスト教の旧約聖書には、洗礼者ヨハネがイナゴを常食していたと記されているそうです。
視点を変えて言えば、昆虫食というのはエネルギーの変換効率や飼料転換率がいいのだそうです。
例えば3キロの牛肉を食べるよりも、3kgのバッタを食べる方が摂取できる栄養価が高く、また一般に、牛や豚1キロを育てるのに必要なエサよりも、昆虫1キロを育てる方が資料が少なく、期間も短く済みます。
そういう観点でいけば、エネルギー変換の効率が良い花き栽培は、日本の古来の植物でしょうか。例えば秋でしたらススキやフジバカマ、ホトトギス、オミナエシ、コスモス、ヘクソカズラ、エノコログサ(C4植物)など季節のものはエネルギー変換効率の良い花と言えるかもしれません。そのようなことを意識せずとも、これらの品目はなんとなく人気の波が到来しているようにも思えます。
在来の植物を生産するというのは、一つのSDGsへのアプローチと言えるのかもしれません。
昆虫食ネタから花き栽培について考えてみました。
それではみなさま、ごきげんよう。
今週の金曜日、フラオタ発表です。よろしければ大田市場にお越しください♪
それではみなさま、ごきげんよう。
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