花研コーヒーブレイク
山怪とはゲゲゲの鬼太郎のような妖怪話ではなく、実際に私たちの周りで起こりうるノンフィクションであった<前編>
2019.08.20
こんにちは。ボンジュール内藤です。
「五反田は海だった。」
って大昔の話ではなく、今朝の話です。
ちょうど家を出るときにひどいゲリラ豪雨に見舞われました。
10メートル先が白く霞むほどの大雨で傘も役に立たたず、五反田駅で降りた人は構内から出られず雨宿り。少し周りより低くくなっている五反田はあっという間に足元が湖と化してしまうのです。靴はコップのような状態で歩くたびにぴちゃぴちゃと水が飛び跳ねる音がするほど。
すごい勢いで降っては流れていき、雨水と一緒に排水溝に流されてしまうかと思うほどで、もしくはあまりにもミゼラブルでもういっそのこと流されてしまおうかと思わせるほどのひどい雨でした。
ところが流通センター駅に着くと道路は全く乾いてて、雨は降らなかったことを示していました。全身濡れて服の色も変わり、濡れた靴で乾いた地面に足跡を付けながら歩くアタシは、一体どこから来たのかと不思議に思っていた人もいたかもしれません。運河にかかる大橋から都心を臨むと真っ黒な雲が立ち込めていました。「そうそう、アタシャあれにやられたのさ」と敗北を認めました。
というわけで「五反田が海」というのは昔の話ではないという件に戻りますと、小欄で8月5日に紹介した『山怪』の話も、実際に読んでみると、決して昔話や遠くで起こる怪奇現象ではなく、意外と日常生活に近い話であることが分かりました。
当ブログでご紹介しているからには、お客様からあの本読んだよと言われたときに「私は読んでいません」とは言いづらいので、ひとまず読んでみました。
すると、『山怪』とは著者の田中康弘さんが25年以上、全国の山や狩猟の現場を歩いて実際にそこで暮らす人たちから聴いた話をまとめたものなんですね。つまり基本的にノンフィクションということです。
もしかすると、日頃お取引していただいている花の生産者さまも口にされないだけで、こんな体験談をお持ちなのかもしれないなと思いを巡らせながら読み進めていくと・・・
な、な、な、なんと、存じ上げている方のお名前が登場しているではありませんか。
南会津でユリを育種・生産されている月田禮次郎さまのお話が載っているのです。
これは驚きました。
初版が2015年ですから、それほど昔の話ではありません。(お話されたのがいつかはわかりませんが)
「いや、ぞっとしたよ。嫌なもんみてしまったなあって」(『山怪』より引用)
と月田さまはその取材でお話しされています。
チョット長くなりすぎてしまいましたので、本日のブログは前編としてこの辺で。
またこの続きを明日ご覧いただけると幸いです。
それではみなさまごきげんよう。