花研コーヒーブレイク
大田区ジャーマン通りに見る縦型緑化の先進事例
2019.06.11
こんばんは。ボンソワール桐生です。
大田区にジャーマン通り商店会なる名物商店街があります。大森駅から環状七号線に向って緩やかにカーブを描きながらくだる道です。「ジャーマン通り」の名付け親は、あの石原慎太郎氏。
駅から自宅に向かうに際し、しばしば利用しますが、ここの街路樹や植栽が実に素晴らしい。樹木はハナミズキなど。地下水が流れているせいでしょうか、樹木の幹が苔むすのですが、これがまたなかなか風情があります。
足元にテッポウユリがきれいに咲いているのに目を奪われていましたが、ふと見上げるとハナミズキの幹に蘭が着生しているではありませんか。
(撮影は5月下旬ごろ、テッポウユリの季節は終わりました。悪しからず)
よくみると麻紐で固定してあります。道路両側のハナミズキに施されていて、なかには開花している株もありました。
東南アジアのホテル内の植栽や植物園や観光地などではよく見かけますが、日本の通常の街路樹では珍しく粋なアレンジです。
このように都内を散歩すると素晴らしい植栽に出会うことがあります。
銀座や丸の内界隈にはきれいにハンギングバスケットが吊るされた通りもありますが、この着生蘭を木につける、というアイディアは自然であり空間を上手く使った提案ですね。宮崎県などの大きな街路樹にモシャモシャと着生している蘭を拝見したことはありますが、都心ではなかなか珍しい光景です。通行人の中には、この蘭に気付いて、ご自宅の高い位置に蘭を飾ろうかしらと思った人もいらっしゃるのではないでしょうか。
植物のもともとの植生を生かした飾り方であり、また縦に空間を使って飾るというアイデアも、非常に現代的なキーワードを含んだ植栽だなと思いながら拝見しておりました。さすがジャーマン通り商店会です。
それではみなさま、ごきげんよう。