花研コーヒーブレイク
鋸南(きょなん)のニホンスイセン
2017.11.20
推薦します。鋸南町(千葉県)のニホンスイセン。
中央通路に何とも立派な立花が展示されているではありませんか。これはただ事ではありませんよ。
いつもお世話になるP生花店様が池坊の教授をされているので聞いてみると、このスイセンの茎と葉と花、すべてにワイヤーの〇〇番(ワイヤーの太さ)が入っていますと教えてくださいました。普通だったら何時間もかかる大作。
葉の柔らかな曲線やU字具合、輪としたねじりも偶然の産物ではなく全て計算し尽くされて、この緊張感が生まれているのだそうです。お見それいたしました。確かにそっと触ってみると(本当は触ってはいけないのだろうけど、ごめんなさい)葉の中心部にワイヤーを感じることができます。葉や茎に上手にワイヤーを入れることも生け花では鍛錬の一つなのだそうです。
造作の無造作といでもいいましょうか、知らない人にはそんなに大変であることは分からないほど自然で凛とした美しさを感じさせます。しかし、実際にはかなり高度な技術と精神の鍛錬の賜物なのですね。
どなたが作られたのか千葉県の方に聞いてみますと、鋸南の推薦の生産者さまがいけばな池坊の教授でもあるそうで、生産者様自ら花を生けたのだそうです。素晴らしいではありませんか。
芸術的な作品ばかりでなく、流通上必要な情報も実物とともに展示されています。
↑このような情報はお取引をされる方にとって大変有用かと存じます。
JA安房さまの共選として今年からスイセンの本格出荷スタートなのだそうです。こだわりは、
1. 切り前を固くそろえる
2. JAの検査員が出荷前に厳しい目で品質チェック
3. セリ日前日の夕方には市場着荷という早便出荷
商品品質、市場品質とを考え実行されているということですね。
大田市場にお越しの際は是非2階の推薦展示コーナーで美しいいけばなをご覧ください。