花研コーヒーブレイク
グリーンで長寿を祝う新提案
2017.10.09
今日は体育の日。
1964年の東京オリンピック開会式を記念して、1966年より10月10日が祝日となり、2000年からハッピーマンデー法により10月の第2月曜日となりました。
体育の日はスポーツに親しみ、健康な心身を培うことを目的として祝日として制定されています。
世の中の人はヘルスコンシャス(健康意識)が高く、みなさんよく運動をされているなと感心します。そういえば、先週の日本農業新聞一面にも、生産農家さんは日ごろ体を動かしているせいか、平均寿命が長いという研究結果が紹介されていましたね。
運動が現代人に健康長寿をもたらしていることもありますが、日本人は昔から長生きとして伝えられる人が少なくありません。
例えば、鎌倉時代の浄土真宗開祖の親鸞は90歳、室町時代の一休さんこと一休宗純は88歳、安土桃山時代から江戸時代を生きた天台宗の天海は驚異の108歳(このあたりの僧侶は食生活が功を奏しているのでしょうか??)、戦国時代の武田早雲は88歳、NHK大河ドラマ「真田丸」で俳優の大泉洋さんが演じた真田幸村の兄・真田信之は93歳、北斎は90歳と伝わります。
秀吉の正室ねねさまは75歳、徳川家康も75歳と、当時としては長寿の方でしょう。
世界的に統計データが明らかになった今、日本は世界でもトップクラスの長寿を誇り、「鶴は千年、亀は万年」と言いますが、実際のところ鶴は80-90年、亀は150-200年くらいらしいので人の寿命は鶴を越して亀を追いかけているところです。
ところで話はぴょこーんと飛びますが、長寿の御祝いに「緑」が使われている年齢をご存知でしょうか。
「賀寿」を特集した「花研手帳2016年」にばっちりと掲載されていますが、覚えていらっしゃる方は少ないでしょう。(ええ、ええ、いいですよ。構いません・・・ちょっとスネ気味)
正解は・・・
66歳です。
2002年に日本百貨店協会により66歳で「緑緑寿」を略して「緑寿」と提唱されています。
66歳を明るく元気なイメージの緑色で祝おうというもの。平成29年9月15日現在の統計で65歳以上は全人口のうち27.7%、4分の1以上が65歳以上ということになります。緑寿(ろくじゅ)ですが、緑(りょく)から力(りょく)に置き換え、「力力寿」と書いてもいいくらい、パワフルな方が多い昨今です。体育の日に65歳以上で運動会をしたら、体力的にも人口的にも活発に且つ楽しく実行できるのではないでしょうか。(ケガだけ気を付けないとね。それは何歳でも同じ)
さて、この緑寿、66歳を迎えたこの機会にご自身のお気に入りの樹木や観葉植物を購入したり、贈り物として差し上げたりして、人生のパートナーとして育て、楽しむことを花業界からも提案できるかもしれません。
緑を樹木に置き換えて「樹寿(じゅじゅ)」の御祝いにしてはどうかという植物博士(田中修先生)もいらっしゃいます。良いアイデアと思いませんか?
花き業界の消費は物日到来を待つばかりでなく、生活者が幸せを感じられるよう積極的に提案する機会がもっとあるように思います。
本日のネタは次の書籍を元にさせていただきました。
参考文献:「ありがたい植物」 著者:田中修氏(幻冬舎新書)