花研コーヒーブレイク
海の凪(なぎ)、植物のナギ
2011.04.01
日本で怖いものとして喩えられてきたのは「地震・雷・火事・親父」でした。
その通りだと思っています。阪神大震災も大阪で経験し、今回の大震災の被害においては言わずもがな。また、雷では遠い昔に後輩を亡くし、決して甘く見てはいけない雷の脅威を学びました。火事は(泥棒と違って)全てを持って行ってしまうから恐ろしいものだと言われてきましたし、親父については・・・ノーコメント。これらの「日本4代怖いもの」には納得です。
しかし今思うに、国家を揺るがすほどの本当の脅威は「地震・雷・火事・津波」に共感して下さる方は少なくないのではないでしょうか。
最近は当社にある「ナギ」を今まで以上によくお世話をするようにしています。海の国であった熊野地方(現在の和歌山と三重県にまたがる地域)では、ナギの木が海が平穏な状態である凪(なぎ)に通じることから、昔から日々の平安を祈り、御神木として大切してきました。
岩手など東北からナギが自生する暖地の方へ出稼ぎに行った人も、ナギの葉をお守りとして持って帰ってきたらしく、岩手を中心として歌われた南部牛追歌にも詩中にナギが登場します。
海にはいつも穏やかであってほしい。もう海が荒れることなく、凪の状態が続いて平穏な生活を送れるよう、ナギに毎日願いを込めて水やりをしています。