花研コーヒーブレイク
「品目の大移動」 ~品目分析から見えること~
2017.01.27
今週は長野県の或る大きなJAさまにお招きいただき、花のトレンドと商品開発についてお話させていただきました。
お集まりくださったほとんどの方が切花生産だったので、切花の取引トレンドがここ数年でどのように変化したかをチャートでご覧いただきました。
2003-2012年の10年間累積での取引実績、及びトレンドの転換期である2013年を挟んだ2006-2015年の10年間の取引実績の2つをお示しし、3年間でどのような変化があったか比較していただいたのです。いずれも大田花きにおける取引実績です。
そのチャートには大田花きで取り扱うほぼ全ての切り花品目のデータを掲載していたつもりだったので、大きな会場で小さな文字が見えにくいと思い、「なんでもいいので、みなさまの生産品目やご興味のある品目を言ってみてください」と促してみました。
品目をご指示いただき、私がそれをチャートの中から代わりに探させていただこうと思ったのです。
しかし、多品目を生産されている割にどなたも品目をおっしゃらず、じゃあ次のスライドに行こうかな~と息を吸った瞬間・・・・!
「ベロニカ!」
↓イメージ写真
と、ちょうど会議室の中央にいらした方から手が挙がりました。
すぐに目を皿のようにしてチャートの中の「ベロニカ」の名前を探してみましたが、名前が見つかりません。というか最初からなかったのです。
なぜかというと、ベロニカは「その他の草花」の中の一つとして分類されている(大田花きの場合)ので、ベロニカだけでデータの抽出がされていなかったのです。
それでもせっかくリクエストしてくださったことと、「どのような品目でもいいから言ってください」と促した自分の責任もあり、「後でベロニカだけを抽出してご報告させていただきます」とお約束させていただきました。
と、ここまでが前段です。経緯の説明でした。長くてすみません。
事務所に帰ってきて、弊社のスタッフにベロニカのデータを抽出してもらうと、なんとベロニカは2003-2012年と2006-2015年の取引実績で、大きく販売を伸ばしていることがわかりました。
こちらのチャートをご覧ください。
左下は過去10年で単価数量ともに下がり、「どぎゃんかせんといかん!」という場所。2003-2012年の取引は累積でこの場所にあったのですが、なんと3年間スライドしただけで、右上に移動。つまり、単価も数量も伸びた花型品目に躍進していたのです(2006-2015年)。
なんということでしょう。ンも~、これはすごい逆転劇!
いくつもの品目をこのチャートで分析してみましたが、このような動きをした品目は初めて見ました。これも一重に積年にわたる生産者様のご努力の甲斐あって、2013年に転機を迎えたトレンドに乗った最たる例と言えるでしょう。これほどまでに伸びていれば、ベロニカの生産者様もここ数年は実感があったことと思います。
これなら今後暫くベロニカを生産し続けても大丈夫◎!というわけです。さらに品種別に分析して、取捨選択をすることも必要かもしれません。
チャートのどこに位置するかでそれぞれの品目が販売・プロモーションのために必要としていることが異なってきます。
みなさまも、もしご興味のある品目がございましたら、ぜひ分析をお申し付けくださいませ。
それでは、have a nice weekend!