花研コーヒーブレイク
“初めてがいっぱい(≧∇≦)” ウィーンフィルニューイヤーコンサート2017
2017.01.05
昨日の予告通り、本年元日に行われたウィーンフィルのニューイヤーコンサート2017の花をレポートしたいと思います^^!
今年はかなりユニークな傾向が見られました。初めて拝見するものもちらほら。
今年の特徴は、例年と異なり、〇〇色というテーマカラーがありません。およそ毎年、赤やピンク、ビタミンカラー(オレンジ、黄色、シトラスなど)とテーマカラーがあるのですが、今年は色の区切りなく、赤、黄色、ピンク、オレンジ、サーモン、白、グリーン、パープル、褐色系など、ありとあらゆるカラーが使われていました。もちろんそれでも尚、新春らしい明るい色調で上手にまとまっているところが素晴らしいですね。
日本でも人気のピスタチオの葉。フルーツとも相性が良いことでしょう。日本でも流通しているピスタチオの葉は輸入品ですから、出荷元は同じようなところかもしれません。
バラ、カーネーション、アマリリス、シンビジウム、アンスリウム、アオモジ、染めのアスパガラスナナス、ヘデラベリー(これはヨーロッパでは大変実付きの良いものが比較的安価に手に入ります)、スマイラックス、スターチス、ユリ(アジアティックかな)などが多用されています。
今年の会場装飾で何より目を引いたのは、レモンやパイナップルなどのフルーツを丸ごと使っているところです。テレビ中継で拝見したからこそ分かったことかもしれません。会場にいた人は果たしてどこまで気付いたでしょうか。
花や葉のみより、より実りを感じて豊かな雰囲気が伝わってきますね。これも美しい部分だけではなく、植物まるごと描写(ボタニカル)ブームの一つでしょうか。だとすれば面白い傾向に思いました。
フルーツどころかこんなものまで!?お気づきになったでしょうか。レモンの横に・・・
ピンク色のブ・・・・・・・、
ブタちゃま!これはデザイナーさんのカワイイ遊び心としか言いようがありません。
かと思えば、同番組内でゲストに呼ばれたハーフタレントのトリンドル玲奈さん(恐らくウィーン出身だから)のスタジオ装飾にも、ブタちゃんが隠されていました。
これまでのニューイヤーコンサートでは見たことのない遊び心です。
「遊び心」と申しましたが、実はそれ以外にも理由があると勝手に想像しています。
①幸運の呼び水
ブタちゃまは欧米では縁起物として愛されています。その昔お邪魔したアメリカのご家庭では、ラッキーアイテムのブタちゃんを集めるのが趣味で、おうちはブタオブジェで溢れていました。
新年の幸運を祈るべく、所々にブタを隠し玉として挿入しているのかもしれません。
②生きとし生けるもの全てを描写 ~豊かな自然~
実は今回、フルーツが挿してあるのを拝見し、もしかしたら虫や鳥も隠れているかもと思いました。もしくは来年あたりは植物と一緒に昆虫や動物のモチーフが使われるかもと思っていました。そしたら既にブタちゃまがいたというワケです。
ヨーロッパでは、寒い時期が長く、日本ほど日照量もなく自然も豊かではありませんでした。だからこそ花が咲き、鳥が歌い、そこに生命が存在することが豊かな自然の象徴であり、人々の憧れ。花を含めた自然の全てを再現しようとします。絵画には美しい花ばかりでなく、虫や鳥などがいっしょに存在することが本来の姿であるという考えから、ともに描かれます。ヨーロッパなどで(あるいは、とりわけ17-18世紀のヨーロッパの)花の絵画をご覧になる機会があったら、ぜひよく見てみてください。必ずと言っていいほど虫が一緒に描かれています。それが自然の姿、豊かな自然の象徴だからです。
<例↓こんな感じ>
さすがにだからといって花とブタを一緒に描写するのが自然とは思いませんが^ ^;
理由づけとしてはチョット飛躍しますね。
ということで、この考えから行けば、圧倒的に上記①が理由としては濃厚だと思っています。
いや~、今年のニューイヤーコンサート、ほとんど音楽には耳を傾けませんでしたが(すみません)、おもしろかった~^^!!