花研コーヒーブレイク
パントン カラー・オブ・ザ・イヤー2017
2016.12.16
昨日、渋谷でパントンのカラー・オブ・ザ・イヤー2017の発表会がありました。2000年から「カラー・オブ・ザ・イヤー」を発表しているパントンですが、日本で発表会を開催するのは初めてです。
(↑会場は寂しく見えますが、それは私が前の方に座らせていただいたからです。メディアも含め100人ほど集まっていらっしゃいました。)
主催はパントンの日本総代理店を行う株式会社ユナイテッド・カラー・システムズですが、パントンの米国本社の方がいらしてプレゼンテーションが行われました。
(プレゼンをされたリアトリス・アイズマンさん。パントン・カラー・インスティテュートのエグゼクティブディレクター)
カラーオブザイヤーはどのように選ばれているかというと、ファッションや映画、車などのトレンドを追いかけ、1つのカラーに行きつくようです。
発表の目的はコミュニケーションのきっかけやクライアントのニーズを引き出すためのもの。色のコンビネーションなどを提案するもので、経済などの関連や歴年での傾向を捉えるものではないようです。
さて、2017年のカラーはGREENERY(グリーナリー、草木)。色味はこちらです。
色見本も配布されました。↓
このグリーナリーは、ハーモニーやバランスを意味し、緑の芽吹く春の始まりや回復・復興のイメージ。人生を称え、命を与える色。この色の根底には希望を意味する黄色が含まれるのだそうです。多くの人がこの緑のトーンを見て「自然」をイメージするので、2017年のテーマは「自然」と捉えることもできるのだそうです。
そこでふと思い浮かんだことがあります。
フランスのトップブランドエルメスの2016年のテーマこそ「自然」。(ご参考)
ここからは私の勝手な理解になりますが、つまりパントンが翌年のカラーを発表するときはファッションや自動車、映画などのトレンドセッターやイノベーター理論でいえば、イノベーターたちの傾向を見て、線でつなぎひとつの色に辿り着くのかなと。それを、アーリーアダプターやアーリーマジョリティ向けに発表して大衆化していくという順序なのでしょうか。サンプル(実例)を2016年(過去)から取り上げ、翌年(未来)色としている。これも重要な役割だと思います。
さて、昨日は2017年グリーナリーのテーマカラーのほかに、次の9つのパレットが紹介されました。
①day dreaming(空想、白日夢)
淡く、ソフトな色で軽快感のある色(水色、ソフトピンクのような)
現実離れしたイメージを持たせるもの。
②at ease(くつろぎ)
①よりグレーダウンした色。都会的に洗練されている。柔らかさを持つ。
ロージーピンクを含むが、ダスティラベンダーなどアースカラーにより近い。
③native instinct(メキシコの記憶)
ネイティブアメリカンのイメージ。
アーストーンで、茶色も明るい。コッパーなどのメタリックカラーも。
④florabundant(大きな花柄、花に溢れたパターン)
花が大きく使われ印象的。深いパープルや赤、イエローグリーン、オレンジ、フクシアピンクなどが使われる。
⑤Acquired Taste(温かいコニャックテイスト)
ウイスキーやコニャック、ビールなどのオレンジがかかった色。texture(素材)との融合も大事。
⑥Forest Bathing(森林浴)
世界的にデザインの中で注目される重要なカラー群。
ストレス社会の中でリラックスさせてくれる色。緑のみならず、花、木の葉、紅葉などを含んだ自然な色合い。人の心を共鳴させる色味。
美しくゴージャスな組み合わせ。
⑦Raw Materials(生素材・原材料)
ベジタブルや花でいえばバラのような自然物からとれる色。チャコールなども含まれる。
⑧Graphic Imprints
白黒+アクセントカラーの組み合わせ。これはいつも定番パターン。
特に、黄色がアクセントカラーであることが大事。
⑨Reminiscence(追憶)
ヴィンテージ、レトロテイスト、懐かしさを感じる色調、再利用
そのほか箇条書きですみませんが、以下のようなことをおっしゃっていました。
・食に花を使うことが注目されている。エディブルフラワーは米国、そのほかの国においても人気。
・ガーメント(洋服)の花柄は小柄からどんどん大柄になっている。
・花柄が大きくなっているのは、フードインダストリーの影響がある。野菜や花は健康的な生活に欠かせないもの。健康に必要なものは植物の全て。そして植物の全てが美しい。ニンジンのヘタを使わないから切ってポイではなく、捨てる部分にも生命が宿り、美しいイラストレーションになる。生命体の全てが注目されている。→なぜ昨年「ボタニカル柄」が流行したか得心がついた。
・リサイクルはトレンドを超える。古いものの再利用を「レスキュー」というが、これは新たな流行語。古いものを再活用することは、トレンドを凌駕する。
ともあれ、パントンの色発表がどのように選抜され、どのような意味を持つのか、自分なりに理解でき、参加した甲斐がありました。
来年の開催は未定だそうですが、もし発表会があるようでしたら、ご興味のある方は是非お出かけください。「カラー・オブ・ザ・イヤーとはなにか」が自分なりに理解できるものだと思います。
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さて、最後に「今日のヒット記事」。
何と言ってもこれでしょう。日本農業新聞12月16日付、「農業界でもPPAP」。
青果物の売れ筋も今年はPPAPだというのです。
何かと思えば以下の通り。
P=パクチー → 納得。少し前からのムーブメントですが。
P=ピーマン → インターネットで食べ方が話題になったのだそう。
A=アップル → ピコ太郎特需があったそうです。
P=パイナッポーかと思いきや、パパイヤ★ → 野菜として国産が話題を集めたのだとか。パパイヤをたくさん食べる東南アジアではフルーツとしてよりも青いパパイヤのサラダとして消費されるのが主流ですね。歯応えが良く、私も好きです。
オモロイ!記者の丸草さん、三宅さん、さすがです。