花研コーヒーブレイク
まだまだマムの日!
2016.11.08
いいマムの日(11月06日)を過ぎたといえども、まだまだマム(キク)は旬を迎えています。
「いいマムの日」が終わったら、「まだまだマムの日」ですね。今週、大田市場の中央通路はお正月用に提案されたマムが展示されています。
いくつか品種をご紹介させていただこうと思います。
まずはコチラの品種。スパイダー咲きの「マレット」。大田花きの営業担当もイチオシでございました。
「キクでここまではっきりとしたバイカラーは珍しいでしょ。品もあるし、季節を問わずいつでも使える。もちろんお正月にもおすすめ」と。
似た品種で「サフィーナ」もはっきりとした2色使い。展示ではマレットよりひと周り輪が大きいようでした。(サイズは作り方の差である可能性もあります)自然なカラーグラデーションが何とも魅力です。
バイカラーならほかにこちらの「ソウルズ」。
「ソウルズ」の枝代わりで誕生した「みやび」。
中でもこちらのユニークな「セイ麗美」は、まだまだ生産量は少なく、超レアもの。
白グリーンの2色使いで人気なのは、こちらの「ゼンブラライム」のほかに、
「イートン」と「サルディナ」など。↓
単色系で行くなら、たまご色のまん丸いポンポン系は、妙に親近感が湧いてしまいます。写真は「セイ ノーマンサニー」。
写真では現物のままをきれいに映せないのですが、発色のキレイなオレンジは秋に重宝されます。
「オペラオレンジ」
こうして全体を俯瞰すると、やはりオレンジは映えます。
「マグナ」。ダリアの「熱唱」のような発色はキクでは意外と珍しいかも。こちらもきれいです。
同色系のポンポンも使えます。「アブロン」・・・どういう意味かな?アフリカのガーナで使われるアブロン語のアブロン??
同じ赤でも少し青味を帯びた「ロリポップパープル」。
ちなみに、今回品種名、生産者様名とともに併記された品目名は・・・
「ディスバッド」。
ディスバッドとは、dis-(非~)+bud(ツボミ)の意味で、キクの生育過程で次々と出てくる脇芽(ツボミ)を取り除き、一輪仕立てにしたものという意味です。
dis-とはご存知の方も多いと思いますが、英語の接頭辞の一つで「反対の」という意味を持ち、その後に続く言葉を否定するものです。
例えば、
disable= dis- + able →「できるの反対」で「できなくされる、損傷する」から、disabled で「身体障害のある」という意味。
disagree= dis- + agree →「賛成の反対」→意見が反対、意見の相違
disappear= dis- + appear→「現れるの反対」→消える
disadvantage = dis- + advantage→ 「利益・有利の反対」→不利益・不利
例を挙げるときりがないのですが、最後にこれだけ。
disrespect=dis- + respect →「尊敬の反対」の意味から「侮辱する」→「ディスる」という昨今の若者の言葉が生まれました。
budがツボミですから、rose budといえばバラのツボミ。ハリウッド女優アンジェリーナ・ジョリーさんのぷっくらとした魅力的な唇は、メディアにrose budと喩えられことがありますが、このようにrose budといえば美人さんやかわいい女児の唇の比喩としても使われます。
つまり、・・・いつも寄り道が多くてすみません・・・dis+budとはツボミを全部取り除いた一輪仕立てを指す一般用語です。しかし、とりわけ日本の花業界ではディスバッドといえば、「キクの一輪仕立て」を指すケースがほとんどです。
ディスパットとか、ディスバットなどという誤表記をあちこちで見かけます。実際、花研ブロガー2号の経験談としても、以前「ディスバッド」について原稿を書いて出版社様に提出したら、全て「ディスパット」と書き直されて戻ってきたことがあります^ ^;
そもそもはdisbudなのでカタカナ表記にしたときにはディスバッドが正解です◎
「ディスバット」といえば、This, but(これ、しかし)・・・大阪の芸人さんみたいやネ★
「ディスパット」といえばthis, pat(これ、口がうまいね!)・・・ナンノコッチャ
などという意味になってしまいますので、是非正しい言葉で覚えていただきたいと思います。
ところで、この展示に使われていたのは鮮度保持剤のクリザール入りの水。
話が長くなりすぎてしまいますので、クリザール商品に関するこの続きはまた明日とさせていただきましょう!
「趣味、寄り道」の花研ブロガー2号でした^^
See you, tomorrow!