花研コーヒーブレイク
【シンヤワールド】音が植物の魅力を引き出す
2016.09.17
先日、埼玉県熊谷市の荒川沿いにあるスポット「荒川・押切(おしきり)虫の声」を訪れました。
「押切虫の声」は未来に残したい貴重な自然と虫の声を聴くことができる場所として、環境省から「日本の音風景100選」に認定されています。
押切虫という虫がいるわけではなく、押切という場所で聞くことができる虫の声という意味です。押切虫の声・荒川河川敷周辺は、開発手つかずのまま草むらが一面に広がり、いまだにコオロギやスズムシなど心地よい虫の鳴き声が、まるで私の訪問を歓迎してくれているかのように道の両脇から聞こえてくるのです。
秋の七草のひとつススキも風に揺られて秋を感じさせてくれます。
初秋の今頃は、草むらを歩いているとブドウジュースのような甘い香りが漂ってくることがあります。
「草むらなのに葡萄の匂い?」
この匂いの元、実はススキと同じく秋の七草のひとつ「葛(クズ)」の花の香りです。
クズの花は葉に隠れていることも多く、香りに気づきにくいのですが、花に近づいてみると葡萄のような甘い香りがします。花の赤紫色なら、形も葡萄の房のようです。
荒川河川敷にはこんな場所も。
猫じゃらしの別名で知られるエノコログサ(アキノエノコログサ)の群生地です。
こちらは大型のキンエノコロです。
雑草のイメージが強いエノコログサですが、その素朴な雰囲気から近年フラワーアレンジメントでも人気のアイテムです。しかしやはり、市場に流通する園芸種とは少し違いますね。
荒川に架かる「押切橋」。
橋の下ではジニアやキバナコスモスが綺麗に咲いています。
猛暑が終わりやっと過ごしやすい季節になりました。
皆さまもお出かけの際は秋の花々や虫の声をお楽しみください。
(む。)