花研コーヒーブレイク
9月1日防災の日に因み「関東大震災と卸売市場の成り立ちの関係」
2016.09.01
今日は防災の日。
大正12年のこの日、関東と中心に大きな地震災害が発生。当時12歳だった私の祖母は、桑畑で大きな揺れを感じ、しゃがみながら恐怖におびえ、両手で桑の枝を掴んでじっと揺れが止まるのを待っていたと体験談を聞いたことがあります。
この地震、被害が大きかったばかりでなく、様々な事件やデマ、社会不安を引き起こし、経済成長にも大きな打撃を与えました。しかし、一方で実は卸売市場の成り立ちもこの関東大震災に大きな関わりがあります。
第1次世界大戦後のコメの価格高騰により発生した富山の米騒動(大正7年)をきっかけに、大正12年3月、政府が初めてコメ取引に介入し、近代市場が設立されます。花きは対象外でしたが中央卸売市場法も制定されました。
同年の9月に関東大震災が発生。生産者さんは販売先を失い市場の再建が急がれましたが、政府は同じ場所での復旧を禁止して、築地等に臨時市場を設け、取引所を集約したのです。
これが今の築地市場の始まり。
同年12月には銀座に「高級園芸市場組合」が設立され、切り花・鉢物、ガラス温室で生産される高級野菜の取引所ができたのです。花の近代市場はこれが原点でしょう。
社会を立て直すときに新しい力が生まれ、インフラが整う。震災は起きてほしくないことですが、震災後はこんな一面もあるのですね。
折しも築地から豊洲市場への移転は混迷の様相ですが、こちらも早く落ち着くことを祈りたいと思います。