花研コーヒーブレイク
働く女性 ファッションの未来
2016.11.11
ファッションの文化で明らかに女性より男性の方が進んでいる分野があります。確実にそういえるひとつはオーダースーツの文化でしょう。
“吊るし(既製品)”よりも、オーダーメイド方が自分の体形に合ったものをリーズナブルに入手でき、コストパフォーマンスが圧倒的に良いように思います。しかも、紳士服売り場では商品価格帯の高い・安いを問わず、そのようなサービスが全くスタンダードとなっています。
その背景を考えれば、もちろん男性が社会で活躍する機会が多く、それに伴うスーツに対するニーズも高まり、業界が活性化したということでしょう。闘う企業戦士にとってはずっと身に付け活動する運動着のようなものですから、それだけ自分の体に合ったものを求めるのは当然のニーズでしょう。バブルのころには、スーツを着たままスキーに行ったという話も聞くくらいです。
その点、女性のオーダースーツ文化は相当遅れをとっています。型を取るのにボトルネックがあるのでしょうか。専門的な技術はわかりませんが、素人考えで高度な技術を持つ日本の仕立てやさんを思えば、技術よりむしろ女性の社会進出の遅れにシンクロした結果のように思えてなりません。
しかしこれからは違った展開が見られるのではないかと注目しています。
ヒラリー・クリントンさんは大統領選の時にグラスシーリングの打破を謳っていました。惜しくも今回米国史上初の女性大統領の誕生には至りませんでしたが、ドイツ・メルケル首相をはじめ韓国某大統領(今は騒ぎの渦中にありますが)、IMF専務理事ラガルド氏(←超カッコイイ!)、米国FRB史上初の女性議長ジャネット・イエレンさん、ゼネラルモーターズ・バッラCEO、IBMジニー・ロメッティCEOなどなど、挙げればきりがありませんが、世界では女性も活躍しています。
もちろん国内でも東京都小池知事、あるいは民進党蓮舫党首、横浜市林市長などなど、行政ばかりではなく企業にも多くの例をみる通り、トップのポジションで女性の活躍が目立つようになりました。国内の花き市場でも女性が社長をされているところ4社くらい(だったかな)あります。(母数からいけば少ないかな?)
トップばかりではなく、これから女性が社会全体で活躍する機会・・・実はあまり「活躍」という言葉が好ましいとは思えず、「より多くの女性がより責任のある仕事をする機会」といったぐあいでしょうか・・・が増えると、女性のオーダースーツに対するニーズも伸びていくのではないでしょうか。アパレル企業各社さまには是非ニーズに対応する準備をお願いしていただきたいところです。
さて、男性のオーダースーツの文化レベルに追い付くのまで何年かかるでしょうか。よろしければみなさまもご注目くださいませ。
社会をカガクする大田花き花の生活研究所でございました。(←一応弊社の理念です。社会をカガクし、豊かな社会文化の創造に寄与すること、また社会をカガクすることでお客様と生活者のみなさまの幸せを実現すること!・・・努力目標)
では皆様良い週末をお過ごしくださいませ。