花研コーヒーブレイク
母の日シリーズ2:お線香がほしかったけどなかった話
2016.05.04
花と購買機会が比較的似ていて、販売アイテムとして相性が良い商品のひとつがお線香です。
お線香を扱う某企業の方に頂いたデータを拝見すると、花の需要期とほぼシンクロしています。多くはお盆やお彼岸、お正月などの需要期に山ができるのですが、「母の日参り」が広がりを見せている昨今、母の日の需要期にもお線香の需要が見込まれます。生花店にお線香があれば需要が見込めるのではないでしょうか。
実際のところ、大田市場の仲卸大森花卉さまの店頭ではお線香を初めとし、1575年創業の老舗日本香堂さまの香りに関する商品を一部取り扱っています。アタクシも以前、名刺に香りをつける商品やインセンス(お線香のようなものですが、煙が少なく香り重視のお香)を購入したことがあります。
「ウチは洋風主義でシャレオツな生花店だし、売れるチャンスないから線香とかインセンスとか売れないよ」
とおっしゃる方もいるかもしれません。自分がもし生花店を経営したら、やはりお線香は置かないかも・・・と、理解もできます。
ところが、実は私自身、今年3月、生花店さんにお線香があったらいいな~と思った瞬間を経験いたしました。
少し前にお父上を亡くした方とお食事をする機会があったのですが、時間も経過してしまいましたし、
お供え用にお線香をお渡ししようと思い立ったというわけです。
しかーし!困ったことにギフト用の気の利いたお線香をご近所で売っているところが思い浮かびません。
前もってデパートで買えばよかったのですが、急な話だったので出かける時間も得られず、近所のスーパーで買ってもきちんと包装してくれませんし、朝急いで買ってきて家に戻って包装して出かけるには少し時間が足りない・・・という困った状況になりました。おまけに、相手も若い方なので、ベタベタのお線香というよりは、日本香堂さんで取り扱っていらっしゃるような香りがするものや煙の少ないものが欲しいという贅沢な希望もありました。
そんなとき、ご近所のお花屋さんで気の利いたお線香を売っていればいいのに…と思ったものです。季節になれば仏花チックな商品も販売されるその生花店では、花のあるおしゃれなライフスタイルを提案される人気のお店です。店舗にちょっと気の利いたお線香が置いてあってもおかしくない印象がありました。
そこで、朝イチで一応その生花店さんを覗いてみましたが、残念ながら取扱いはありませんでした。
結局、近くのバラエティショップで購入してお渡しましたがギフト性は低く、最低限のことは満たしていたものの、アタクシが思い描いていたものとは程遠く、満足度は低いものでした。
生花店さまにおいては、日頃「お線香な~い??」とお客様に聞かれることもあるのではないでしょうか。
母の日参りが波及してきた昨今では、母の日、或いは母の日ウィーク、ゴールデンウィーク中にカーネーションとお線香を持ってお墓参りをする方もいらっしゃるでしょう。
もし生花店さまに気の利いたお線香やインセンスなどがあるということを定番にしていけば、生花店さまにとってもお線香の流通にとってもそれなりにチャンスありではないかと思った出来事でした。
P.S. 母の日前で生花店各社様を拝見しておりましたら、その地域の需要の性質によって、お線香を販売しているところがいくつかありました。例えば、青山フラワーマーケット様もオリジナルブランドでお線香を販売していらっしゃいました。