花研コーヒーブレイク
【週末閑話】4月23日サン・ジョルディの日はバルセロナで・・・☆
2016.04.24
4月23日はサン・ジョルディの日。
私たち日本人にはあまりなじみがありませんが、スペインのカタルーニャ地方の神話に因む祝日で、本と花を贈り合うものです。
元はといえば、ドラゴンのいけにえとして差し出された王の娘をジョルディという聖人が助け、その時にジョルディさんは殉教してしまった・・・というストーリーに由来しています。ドラゴンの血海から真っ赤なバラが咲いたことから、現地では「バラの日」とも呼ばれています。
20世紀になってから本を贈る文化も加わり、この日に男性から女性へは愛の象徴である赤バラを、女性から男性へは知の象徴である本を、贈る習慣があるのです。ユネスコでは「世界本の日」と制定しています。日本では「子ども読書の日」とされています。
本とバラを贈り合うのに、バラ贈り文化の方がほかの地域に広がらないのは、サン・ジョルディの日がカタルーニャ地方という一部の地域に由来するからかもしれません。しかし、カタルーニャの中では固く受け継がれた伝統文化の一つです。
実はこの4月23日、カタルーニャの州都バルセロナでテニスのバルセロナオープンの準決勝が行われました。
映像を見ると、試合会場の入口では女性にバラと麦の花束が配られていました。
このバルセロナオープンで、日本の錦織選手が大会三連覇をかけて、準決勝に臨みました。対戦相手はフランスのブノワ・ペール。錦織選手にとっては格下の選手ですが要注意の相手でもあります。
これまで錦織選手はペールと4回戦い、直近の2回では痛い敗北を喫しています。
1回は昨年のUSオープンです。錦織選手にとっては前年準優勝したことから優勝の期待が高まっていました。ところが初戦で猛獣のような雄叫びをあげるペールに敗北。ショックが大きかったに違いありません。もう1回は昨年10月東京で開催された楽天オープン。苦手意識があってもおかしくありませんが、今回は快勝でした。
ついに決勝進出です。
決勝は現地時間の24日午後に行われます。対戦相手は第1シードのラファエル・ナダル。
ナダルはスペインのマヨルカ島(バルセロナから南へ210km)出身で、カタルーニャ語も話します。サン・ジョルディの日にはガールフレンドにバラをプレゼントしたかもしれませんね。地元の強力な声援を味方に、決勝では多いに実力を発揮することでしょう。
アウェーとなる錦織選手には、是非三連覇をかけてクレーコートを得意とするナダルを打ち破ってほしいと思います。
週が明けて、25日(月)、日本で日が昇る頃には結果が出ていることでしょう。
ちなみに、このバルセロナオープンのセンターコートの周りに植栽されていたのは、鮮やかなオレンジ色のマリーゴールドでした。スペインの国旗、カタルーニャ州、或いはカタルーニャ州の州都バルセロナの紋章等に使われるイメージカラーを象徴しているのかもしれません。
偶然なのか、今大会の錦織選手のウェアもオレンジ色。おまけにナダルのウェアも。
太陽の国スペインだけに、太陽色を想起させるものなのでしょう。