花研コーヒーブレイク
国際花きシンポジウムin岐阜 後編その①
2016.03.10
3月7日の小欄の続きです。
岐阜県主催で開催された国際花きシンポジウムについてです。
インドの環境研究家カマール・メトル氏を招聘し、グリーンから私たちの健康な生活のためのおいしい空気の作り方についてご講演いただきました。
メトル氏によると、日頃私たちはfood,water,airの3つを必要としている。
foodは、1-2か月食べなくても生きていける。
waterは2-3日飲まなくても生きていける。
しかし、airは2-3分不足しただけで身体に多大な悪影響を及ぼす。人は1日およそ3,000回呼吸をし、13,000リットルの空気を吸う。1日の生活のうち90%は屋内で過ごすため屋内の空気をきれいに保つことが重要と説きます。
メトル氏自身、インドの大気汚染のためアレルギーを起こしたことがきっかけでこの研究を始めたそうです。
その研究結果として身近で低コストで作り出すには以下の植物がおすすめ。
①ポトス・・・ホルムアルデヒド、一酸化炭素吸着(取り除く)の役割。水耕がより好ましい。根が菌を食べる。インドで特許を取り、病院で使用している。
②アレカヤシ・・・新しい酸素を作り出す。肩の高さのものを一人当たり4本。
③サンスベリア・・・酸素を作り出すのに最も効率的な植物。CAM植物でベッドルームに置くと良い。肩の高さのものを一人8本。CAM植物で夜にCO2を下げる。酸素を作るのに最も効率的な植物。トルメチルアミン(魚の臭い)も吸着する。CAM植物なので別名ベッドルームプランツと呼ばれる。
CAM植物であるサンスベリアの代用としてSACRED FIG(インドボダイジュ)もいいのだそうですが、日本ではなかなか入手は難しいかもしれません。
メトル氏によるとこれらの植物を室内に置けば外からフレッシュエアを取り込む必要がなく、且つエアコンなどの電力を20-40%セーブできるのだとか。実際に以下の症状が改善されたことが報告されています。
目の炎症 52%ダウン
呼吸障害 34%ダウン
頭痛 24%ダウン
喘息 9%ダウン
一方労働生産性は20%上がり、ビルのエネルギー消費を50%下げることができたのだそうです。
植物は①②③のほかにベゴニアやバラ、キク、ランなどでも代用できますが、この3つがコストパフォーマンスが良く、誰でも容易に入手でき、管理が楽であるという点からお勧めです。
メトル氏は2009年にNHKエデュケーショナルの番組スーパープレゼンテーションTEDでも講演されています。ご興味のある方は動画もアップされていますのでご覧ください。
シンポジウム後半戦はパネルディスカッション・・・ですが、長くなってしまったので明日の小欄に送ります♪